• テキストサイズ

〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第10章 不測の事態


天「ねぇ、ボクもひとつ言っておくけど。愛聖、なんの為にRe:valeまでがここにいると思う?」

千「そうだね。天くんの言う通りだ」

天と千の言っていることに脳内処理が追いつかず、瞬きだけを繰り返す。

楽「さっそくアホ面晒すなよ」

小さく吹き出した楽のおかげで、脳内処理が急加速する。

『楽!さっきからアホ面って!!』

百「そうだぞ楽!マリーはどんな顔してたってカワイイんだからな!」

龍「百さん、それフォローになってないです」

グイッと目元を押さえて、さっきまで潤い放題だったものを拭いとる。

『天、私も龍から千たちがここに来る事を聞いた時、どうしてなのか分からなかったけど、どんな意味が? 』

少し前のめりになりながら聞けば、天はサラッと同じ話を何度もするのは面倒だから···と言い放つ。

千「それ以外にも意味はある。天くんは僕たちが普段から愛聖と距離が近いのを知ってるから、危機管理をさせようとしてるんだろう」

『危機管理?』

千「そう。天くんは、あいつが愛聖になにかするんじゃないか?って予測を立てた。けど、TRIGGERはTRIGGERのスケジュールがある。だから、今回たまたま同じCM撮りをする僕たちなら、なにかあったら動けるんじゃないかって考えたんだろ」

天「まぁ、そういうこと」

百「ユキ凄い!オレそこまで思いつかなかったし!さっすがオレのダーリン!愛してる!!」

千「フフッ···モモ、みんながいる所でやめなさい。見られてると恥ずかしいだろ?」

百「ダーリンったら、恥ずかしがり屋なんだから!」

···これ、どのタイミングでツッコミ入れたらいいの?

シリアスムードでもお構いなしにRe:vale特有の世界に入り込む2人を眺めながらも、頭の中では整理しきれない事柄でいっぱいになっていた。

もし···私が奏音さんと同じ立場だったら、やっぱり自分を苦しめた相手が目の前に現れたとしたら、報復を考えてしまうだろうか。

貼り付けた笑顔を見せながら、距離を詰めようとするだろうか。

彼女がどれだけ辛い思いをしたのかは、想像出来ないけど···でも···

掴みかけた夢を潰されてしまった絶望感は、とても大きいものだっただろうと、胸が痛くなった。

/ 1348ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp