第10章 不測の事態
テーブルセットには天と百ちゃんが向かい合って座っていて、その横には楽が。
それならソファーにと思えば、ソファーには千が早くも凭れ掛かってて。
イスにもソファーにも座る場所はあるとは言っても、どちらを選んでもきっと究極の選択になりそう。
選びきれなかった私は、とりあえず鞄を自分の脇に置いてその場にペタンと座った。
天からお説教される時は、よく、床に正座ね···とか言われてたし、寮でもラグマットが敷いてある場所には四葉さんと直座りしてプリン食べたりしてるから慣れっこと言えば慣れっこだし。
龍「はい、コーヒー。愛聖、ここでいいの?」
床に座っていた私に龍がカップを手渡しながら笑う。
『あ、うん。ありがとう···なんだかここが1番落ち着くかなぁとか思って』
曖昧に笑いながら言えば、龍は、そうなの?なんて言って隣に腰を下ろす。
『龍は別に天たちの所でも、千の所でも大丈夫なんじゃない?』
龍「いいよ、ここで。愛聖がここで落ち着くって言うなら、オレも一緒に落ち着こうかと。なんか錚々たるメンバー過ぎて、オレもそわそわしそうだからさ?」
錚々たるって言っても、Re:vale以外は普段から一緒にいる楽と天なのに?と返せば、ここでいいんだと言って龍はカップに口をつけた。
『天?電話で言ってた、直接話したい事って?それに、千と百ちゃんはどうして龍の家に?』
呼ばれた理由と、Re:valeの2人までがここにいる事を聞くと、千か何かを言おうとする前に天が話し出した。
天「ボクが説明するよ、愛聖。Re:valeがここにいるのは、ボクがこれから話す事にも関係してるから。だから2人はここにいる」
『これから話す事って言ったら、奏音さんの···』
天「そう、彼女の事。Re:valeは彼女とCM撮りするんでしょ?それに、愛聖の事もよく分かってるから」
天がこれから何を話そうとしてるのかは分からないけど。
だけど、千は彼女に対して誤解してるかも知れないし部分があるし···天が話してくれる事で、それが解けるきっかけになるなら同席してた方がいいかも知れない。
この前、連絡先を交換した時にも千は怒ってたし。
そう考えた私に天が話し出した内容は、そんな短絡的な私の考えを粉砕するような内容で···私は言葉が出なかった。