第2章 7つの原石
❁❁❁ 陸side ❁❁❁
小「やぁ、お疲れ様。みんな揃ってるね?」
ストレッチが終わった瞬間にドアが開けられ、そこから社長が顔を出す。
「お疲れ様です!って言っても、練習はこれからですけど···」
一「七瀬さん?社長のそれは挨拶と同じです。いちいち間に受けないでください」
「分かってるよ!ちょっと言っただけだろ」
やれやれと言わんばかりのため息をつかれ、一織の方こそ毎回突っかかるのやめろよな···と呟く。
一「七瀬さん、私に言いたい事があるならハッキリどうぞ」
っかぁーー!!ムカつくな一織のやつ!!
三「一織も陸もやめろっつーの!社長の前だぞ!」
···そうだった。
環「なんで?別にりっくんがいおりんに話があるなら、いいじゃん」
三「環もだーまーれー!」
小「あはは、元気でいいじゃないか」
収拾つかなくなりつつあるオレ達をみて、社長がいつものように笑う。
一「社長、ここへ来られたと言う事は、私達に用事があったのではありませんか?」
一織が最もらしいことを言ってみんなをチラッと見渡し、社長に向き直った。
小「そうそう!実はね、今日は君達に紹介したい人がいるから連れて来たんだ。さ、入りなさい」
社長がドアを振り返り、中へどうぞと誰かを招いた。
『あの···初めまして、佐伯 愛聖 です』
遠慮がちにそっと中に入って来る姿を見て、不思議な違和感を感じた。
あれ···?
この人どこかで···
小「彼女は今日から、この小鳥遊プロダクションで研修生として在籍する事になった。とは言っても、人手が足りない時は紡くんと一緒にみんなのお世話もしてくれるから、仲良くしてね?」
って事は、マネージャー補佐みたいなもんなのか?
でもいま、研修生って言ったよな?
壮「すみません社長。僕の聞き間違いでなければ、彼女はいま···佐伯 愛聖 さんと···?」
壮五さんが僅かに表情を固めながら社長に問いかける。
小「うん、そうだよ?」
壮五さんの知り合い、とか?
壮「じゃあ、彼女はやっぱり···」
やっぱり?
三「あーっ!思い出した!!こないだ街中で万理さんと抱き合ってた人じゃん!!」
万理さんと···抱き···?
万「えっ、俺?!」
「「 えぇっー!! 」」