第2章 7つの原石
『あの、私ならすぐにでも住むところを探します。それが見つかるまでの間だけ、万理の所にいてはダメですか?』
当初、万理と再会した夜の話では就職先が決まって引越しが出来るようになるまでは···って話で纏まっていたから。
小「うん、いいよ。ただ、実はね?近々活動するグループの子達が住んでいる寮があるんだ。君さえよかったら、そこに彼らと一緒に生活の場を作らないかな?って」
彼ら?
···ということは。
『すみません、ちょっといいですか?あの、彼ら···って事は、そこには男性しかいないっていう事でしょうか?』
小「今のところは、だけど。年齢も性格もバラバラな彼らだけど、きっと君を受け入れてくれると思うよ?とってもいい子達ばかりだから」
小鳥遊社長がそう言うのなら、その人達はきちんとしたいい人達なんだろうけど。
でも···それって大丈夫なのかな?
小「もちろんプライバシーが守られるように全員個室だし、食事や入浴に関してはみんな同じ場所を使うけど。入寮するようになったら、みんなと話し合ってお風呂の時間は決めればいいし、どうかな?」
いや、どうかな?って言われましても。
小「返事は急がなくていいから、じっくり考えてみて?···万理くん、彼らは今どこに?」
万「あ、はい。一織君と環君はこの時間はまだ学校です、もう少ししたら帰って来ます。他のみんなは寮にいると思いますけど、一織君達の帰りに合わせてレッスン場に来ると思います」
万理の報告を受けて、小鳥遊社長がウンウンとにこやかに頷く。
小「それじゃ、書類の事が終わったら彼らに君を紹介しよう。入寮の件は彼らに会ってから考えても遅くはないから」
『分かりました···考えてみます』
まだ会ってもいないうちからでは、人柄なんて分からない。
そう思った私は、とりあえずみんなに紹介されてから今後の事を考えればいいかな?と返事をした。