第9章 ふたりぼっちのスタート
陸「いま大和さんとコンビニ行ったら万理さんが···どうしたの2人とも顔真っ赤だけど」
『いえ、なんでもありません···それより、万理がどうしたんですか?』
大「あぁ、それそれ。たまたまボールペンを買いに来てた万理さんと会ってさ。オレたちみんなに1個ずつアイス買ってくれたって話」
ガサガサとコンビニの袋を揺らしながら、七瀬さんの後ろから二階堂さんが顔を出した。
『万理がアイス···ね、アハハ···』
まさにタイムリーな名前を出されて三月さんと顔を合わせて小さく笑った。
大「それより愛聖。おまえさん今日は何時まで仕事なんだ?ソウもタマの学校終わりに待ち合わせて仕事だって言ってたけど」
『何時までかは···どうでしょう。打ち合わせって、時間通りに終わらないからなぁ。あ、でも社長と一緒なので多少遅くなっても帰りは大丈夫ですけど···』
大「そっか。んじゃ、今日の夕飯も5人か···ミツ、遅い帰りでも温め直して食えるメニューで作るか?ソウがいないから、今日はオレが手伝うよ」
今までは逢坂さんが三月さんとキッチンに立つことが多かった。
けど、新しいユニット “ MEZZO" ” として活動が始まった2人の為に、当番の穴をみんなで埋めてるって社長から聞いた。
だったら私にも、なにかお手伝いをって申し出たんだけど、社長が···
小「彼らは彼らなりに、壮五くんと環くんを応援してるんだよ。だから、少しの間は彼らをそっと見守ってあげて?」
···って言われて、今までの家事手伝いの合間にプラスして、気が付いたところをさりげなくフォローしてるんだけど。
自分の部屋を掃除機かけるついでに、四葉さんの部屋を掃除機かけるけど、驚くことにあの部屋はいつ掃除機をかけてもジャリジャリジャリジャリするから、それこそなんとかしないと逢坂さんが大変だと毎回思ったりして。
けど、お菓子ポリポリしてる四葉さんって···かわいいんだよね。
新商品!って書いてあるお菓子を見つけると、四葉さん喜ぶかなぁ?なんて思って、つい···買ってあげちゃったりして。
···一織さんには1度、軽~く怒られたけどね。
四葉さんの健康管理が損なわれたら、あなたにも責任がありますからね···って。
それも確かにそうだよね。
この世界は、体力勝負!健康第一!がイチオシな仕事だから。