第9章 ふたりぼっちのスタート
❁❁❁ 百side ❁❁❁
「ねぇ、ユキ···最近さ、マリーから連絡来てなくない?」
千「そうね···」
そうね···って、いつもはストーカーだよ!って怒られるくらいユキはマリーに電話したり、ラビチャ送ったりしてんのに。
千「まぁ、僕には今日···ラビチャ来たけどね」
「ユキには来たの?!···オレには来なかったのに···」
千「来たよ。でも、課題としてある歌詞がまだ纏まらないから、どうしようっていうひと言だけど」
あぁ···それね。
それに関しては、ちょっと前にマリーから相談されたっけ。
どんな方向性で考えたらいいか、まずはそこから迷ってる···とか。
だから、考えれば煮詰まるから、ふと思いついたフレーズを書き留めておいて繋げていくのもアリじゃない?って言ったんだけど。
曲をつけて行くのはユキだし、その辺は心配ないんじゃないかな?とも。
まぁ、1曲だけはこの前メロディーラインをマリーが頑張ってたから、そのまま少し編曲するくらいだろうけど。
あのコード進行の感じは、落ち着いた曲になりそうだってユキが言ってたけど···結構な楽しみではある!
オレは作曲とかは全然だけど、ユキが作る曲は全部好きだし!
大好きなユキと、大好きなマリーのコラボなんか最高じゃん!
作曲を手伝う事が出来ないなら、オレの出来る事はひとつ。
ユキにゆっくりして貰うこと!!
「ユキ、もう寝よう!」
千「は?まだこんなに早いけど?」
壁にかけられた時計を指してユキが変な顔を見せる。
「こんなに早いって言っても、それはユキ時間だからだろ?世間一般の人はとっくに寝てる時間!テッペン超えてるんだから!」
いつも明け方まで起きて作曲してるユキからしたら、全然早いって思うかもだけど。
そんな感じでいつも半分寝ながら移動してるんだから、たまに早く寝るのはバチが当たらない!
そう熱弁してユキをベッドルームに引っ張りこみ、むりやりベッドに押し込んでオレも潜り込む。
千「モモ、今夜も僕と寝るの?」
「いーじゃん!オレたちが同じ場所にいる方が、おかりんだって楽じゃん?それともオレが一緒に寝るの···イヤ?」
千「愛聖の方が柔らかくて暖かい···」
即答するユキに笑いながら、今日はガマンして!と布団に潜り込んだ。