第8章 新たな一歩へ
❁❁❁ 大和side ❁❁❁
イチを連れて楽屋へ戻って来たのはいいけど···まだいまひとつ、表情が暗いよな。
ミツが言うように、イチは今日が初めての挫折ってことだし、ここはやっぱりリーダーを任されてるオレが声をかけ直すべきか。
それとも、ミツに任せるべき···か。
モニターの向こうで最高潮に盛り上がりを見せているRe:valeのステージを見ながら、小さく息を吐いた。
三「やっぱRe:valeってスゲーな···」
環「歌も、ダンスも、スゲー」
陸「こんな人たちと仲良しな愛聖さんも、ある意味凄いっていうか」
···そりゃ確かに。
なんせパジャマパーティーするほど仲良しみたいだからな。
あの、ユキと。
オレが知ってる素顔のアイツは、ホントにアイドルなのか?ってくらい、人見知りで、毒舌家で。
だけど、今ではこんな風に······いや、今はそんなことを考えてる場合じゃないな。
「イチ。ちょっといいか」
泣いた目を冷やせとソウが渡したタオルを外し、イチがオレを見上げる。
「ひとつだけ、言っておきたいことが···」
下 ー ありがとうございましたぁ!!Re:valeのおふたりでした! ー
ナ「oh!!!!beautiful!!マリー、ヤマトナデシコ!」
はぁ···なんだってんだよナギは。
言いかけた言葉を飲み込みナギを見れば、モニターに映し出されている愛聖を見て大興奮している。
「へぇ、着物か···馬子にも衣装ってやつだな」
壮「僕は、とても似合っていて綺麗だと思うけど」
陸「オ、オレも壮五さんと同じです!」
さっきまではブルーのカクテルドレスだったのに、衣装チェンジで着物とか。この後は確か、ちょっと大人たちの歌の時間だし進行に合わせていろいろ考えてんだなぁ。
ナ「ミツキ!マリーはアレ、やりますか?!」
三「アレって?」
ナ「良いではないか!ってやつデス!」
三「アホか!愛聖にしこたま怒られろ!」
···ナギ、おまえさんテレビの見過ぎだ。
一「あの、二階堂さん?」
「あぁ、そうそう。言いたかったのはだな、1人でなんでも背負うなって事。仲間だろ、オレたち。オレからはそれだけ」
一「···はい」
これからはここにいる全員がいろんな初めてを経験していくんだから。