第8章 新たな一歩へ
百「お母さんが許しません!」
千「お父さんも許しません」
下「そこをなんとか!お嬢さんを私に下さい!」
「「 ダメなものはダメです 」」
3人の面白トークで会場が笑いに包まれる。
っていうか!
Re:valeはいつからコントまでやるようになったの?!
半分笑って、半分呆れて。
この流れをどう切り替えようかと考え出した時、インカムにステージスタンバイオッケーの指示が届く。
『下岡さん、楽しい時間はそれくらいで。Re:valeのおふたりはステージの準備が整いましたのでスタンバイをお願いします』
下「いやぁ、楽しかったなぁ!Re:valeとミニコントを経験できるとか、なかなかない経験だからね~!···はい!お待たせ致しました!それではRe:valeのヒット曲をメドレーでお送りします!」
直後、Re:valeの曲が流れ出すと、それまでたくさんの歓声が響いていたのが静寂へと変わる。
他のどのアイドル達も1曲ずつ披露して行った中で、Re:valeは持ち歌の中から事前アンケートによって投票された曲をアレンジして繋げてあって。
そのリミックス具合いが、またカッコよくて。
こういうのを聞く度に、万理が千の才能を推してたのを実感するんだよね。
本人に言うと、知ってる···とかで交わされちゃうけど。
ー 佐伯さん、衣装替えの準備出来ました。お願いします ー
インカムに指示が入り、下岡さんにも一応伝えてこっそりと袖に身を隠した。
『よろしくお願いします』
「佐伯さん、こちらへ」
すぐ横に準備されている部屋へ入り、着ているものを次々と脱がされていく。
スタッフは女性ばかりで編成されているから、肌を晒すのはなんの抵抗もない。
これが今日、最後の衣装チェンジ。
この後のコーナーは歌謡曲や演歌など、大人の出番が多いから、事前打ち合わせで最後の衣装は着物で···ってなったけど。
···着慣れないせいか、ギューっと締められる帯が苦しい。
「苦しくないですか?少し緩めますか?」
『な、なんとか大丈夫です』
「Re:valeのステージ終了まで残り4分です!」
慌ただしく動き出すスタッフの声に、本当は少し緩めたい···なんて言うのは手間だよね···
残りはそんなに長くはないしと言い聞かせて、インカムを付けて戻った。