第8章 新たな一歩へ
❁❁❁ ナギside ❁❁❁
紡「一織さんのせいではありません!現場が混乱するのを考えて、私がもっと配慮をするべきでした···みなさん、本当に···ごめんなさい···」
三「泣くなよ···一織も、マネージャーも。泣いたって、しょうがねぇんだから···」
イオリの涙が、マドモアゼルの涙が、ミツキの涙が、そしてリクの涙も···星の光に反射してキラリと光る。
hu-mu···これは、どうしたらいいか。
確かに、今日のステージの結果でワタシたちのレビューが確約されていました。
けど、不意な事情により···その希望も途切れてしまいマシタ。
壮「みんな···」
oh......ソウゴは優しいデスネ。
きっと自分も悲しいハズなのに、みんなを思って···涙を堪えてマスね···
ワタシは、みんなの笑顔が大好きデス。
ならば···ワタシがいま出来ることは、ひとつしかありませんね。
「OK···ワタシ、踊ります。みなさんの好きな歌、歌います···なにがいいデスか?」
三「···なに言ってるんだよ、ナギ」
「oh···ワタシ、アイドルです。人を笑顔にするのが仕事。みなさんに笑って欲しいデス」
イオリにも。
ミツキにも。
リクにも。
そして···マドモアゼルにも。
いつもいつも、笑顔でいて欲しいから。
「ほら···ターン、得意デス。トゥエル、得意···バッククラップ···OK!」
ひとつひとつの振り付けを、みんなの前で笑顔でやってみせる。
「でも···キックウォーク、苦手···」
···これは、本当デス。
環「ハハッ···」
タマキに教えて貰っても、なかなか上手くならないデス···
「ひとりでも上手く踊れマス。だけど、ひとりでは見栄えしません···誰か、お手伝いを?」
暗く俯きがちなメンバーの顔を、ゆっくりと見回してみる。
「OH!ガール!!」
紡「え?!···わ、私?」
「YES、カモン···どうぞ、こちらへ?」
揺れる瞳を見つめながら、微笑んで手を差し伸べると、戸惑いながらも···ゆっくりとその手に小さな手を重ねて来る。
その小さな手をしっかりと掴み、そっとワタシの方へと引き寄せた。