第8章 新たな一歩へ
CMが明けて、私たちに向けられているカメラのランプが切り替わった。
いよいよ、みんなの登場だ···
下「さぁ次は···まだデビュー前なのに人気右肩上がりのグループですね~。これからお呼びするグループは、佐伯ちゃんと同じ事務所に所属してるんだよね?」
『はい、私の方があとからの入所になるので先輩ですね!みんなとっても仲良しで、素敵な人達なんですよ?』
下「それは楽しみですね~!それでは登場して頂きましょう!インディーズアーティストライヴ、トップバッターは嵐を呼ぶ男たちアイドリッシュセブンです!」
下岡さんがグループ名を叫ぶと、観客席が盛り上がりを見せてくれる。
路上ライヴを続けて、野外ライヴまで成功させて。
やっと、ここまで来たみんなが登場口から姿を現した。
下「凄い声援だねぇ、じゃあさっそく1人ずつ自己紹介して貰っちゃおう!」
みんなが順に自己紹介をして行き、それに比例するように観客席もその度に盛り上がってみんなの知名度もちゃんと広がってると実感する。
あとは、今日この日この時を上手く乗り越えて···もっと知名度が上がったらアイドリッシュセブンとして全員がデビュー出来る。
それが社長との約束事になってたから、私もみんなの後押しを手伝いたい。
下「環くん、さっきからカメラ凄く意識してない?」
環「すげー映りたくて来たんで」
下「アハハ!1カメそこだよ~!手を振ってみて」
言われるままに四葉さんが手を振ると、カメラの向こう側からキャーキャーと声が上がる。
下「キミたちにじゃないから!」
すかさずツッコミを入れる下岡さんに笑ってしまい、
四葉さんが私たちに向き直る。
環「ミスター、もしかしてヤキモチ?んじゃ、ミスターにも」
言いながら手を振る四葉さんに豪快に笑いながら、下岡さんが楽しいグループだねと、また笑った。
『元気いっぱいなアイドリッシュセブンのみなさん、ステージの方へお願いします』
インカムからの指示を受けメンバーに移動して貰う。
私の前を通り過ぎるみんなの顔を見ながら、頑張ってね!という気持ちを込めて微笑みを見せた。
一織さんの表情が硬い?と思ったけど、気を引き締めていると思って何も言わずに見送った。
下「スタンバイはオッケーかな?それでは歌って頂きましょう、アイドリッシュセブンで···」