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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第7章 予期せぬ出来事


だからと言って、こんな身近でそういう事が起こると···何だか複雑でもあって。

小「八乙女は影なる敵が多い。けどね、僕は前にキミから聞かされた言葉で安心もしたんだよ」

『私、ですか?』

小「そうだよ?僕と一緒に八乙女の所に行きたいって言った時、キミは八乙女の事を大切な人だって。八乙女の事をそんな風に思ってくれる人間がいるって事が、僕は嬉しかったよ」

まぁ···それは、ほんとにそう思ってることだし。

万「すみません社長宛に電話が」

1度みんなと社長室を出て行った万理が、さっきと同じように慌ただしくノックをしてドアを開ける。

小「僕に?誰からだろ」

万「それが···ミスター下岡さんから直々の問い合わせでして」

小「ミュージックフェスタの事かな?···分かった、ここで受けるよ」

万理から言われて社長が手元の電話を取り、相手と話し出す。

ミスター下岡さんの名前を聞いて、自分がデビューしたばかりの新人の頃を思い出す。

あの頃の私は何かと仕事を与えてくれる八乙女社長の期待に早く結果を出したくて、寝る時間や食事の時間···それから、番組収録の休憩時間までも削ってドラマの台本を読んだりしてた。

それこそ、共演者がドン引きする程に。

だけどそんな時、いつもの様に楽屋に引きこもっていると下岡さんが楽屋に来て···



下「佐伯ちゃん、休憩時間にオジサンとデートしない?」

『デート···すみません、私いま本読みを···』

下「いいからいいから!ちょーっとだけ、すぐ近くに新しく出来たパンケーキの美味しいお店に付き合ってよ?ね、大丈夫!あのキレイなおネエさんにもオッケー貰ったし?」

おネエさんって、多分···絶対、姉鷺さんの事だよね。

八乙女社長からは、自分のプラスになる人間以外とは余計な付き合いはするなって言われてるけど、姉鷺さんがオッケーしたって事は···行った方がいいのかな?

下「ヘアメイクさんに聞いたんだけどさ?生クリームたーっぷりで、フルーツいっぱいのパンケーキなんだって。食べに行きたいけど、さすがに若い子ばかりの店にひとりで行くのはさ?···ね?」

『そういう事でしたら···ご一緒させて頂きます』

自分よりも随分と年上の男性が必死にパンケーキを食べたいから!なんて言われたら、無下に断り続けるのも···と思って着いて行った。

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