第7章 予期せぬ出来事
万「社長、大変です!···あ、あれ···みんなは···」
小「どうしたんだ、万理くん」
万「アイドリッシュセブンに···ミュージックフェスタの出演依頼が来ました」
小「···っ?!」
環「ミュージック、フェスタ···って?」
三「ほら!毎年やってるだろ?インディーズから大御所まで集めて、10時間ぶっ続けで生放送する特大番組!」
壮「ローカル局でも深夜枠でもない、全国ネットで高視聴率な番組だよ!」
ナ「oh!!!文句ナシのBIG Chanceデース!!」
大「捨てる神もあれば、拾う神もありだな?」
陸「ミュージックフェスタか上手くいったら、オレ達7人でデビュー出来る?!」
一「プランは決まりましたね」
大「社長、お願いします」
紡「私からも···お願いします!」
みんながそれぞれに頭を頭を下げていき、暫くの沈黙が訪れる。
やがて社長が小さく息を吐き、普段見せている穏やかな微笑みを浮かべるながら、それを快諾した。
緊迫した空気が和らぎ、その場は収まり、みんなはいま何をしたらいいのかを話し合うために部屋から出て行った。
残された私はひとり、さっき逢坂さん達が話していた事が頭から離れずに、その場を動けずにいた。
小「愛聖さん。少し、真面目な話をしようか」
いつまでも動けずにいる私に小鳥遊社長が声を掛ける。
小「キミがいま、何を考えているのか僕には分かるよ···八乙女の事だろう?」
『···はい』
小「さっき壮五くんが話していた事は、僕には予測はついていた。だけど、こんなにも早い段階で八乙女が動くとは思ってなかったから、ちょっとビックリしちゃったけどね。けど、キミが心を痛める必要はないよ?この業界では、よくある事なんだから」
よくある···それは分かってるけど、まさか八乙女社長がアイドリッシュセブンのメンバーを引き抜こうとするなんて···
小「八乙女はこれまでにも、いろんな手を使ってそういった引き抜き行為をしては自分の所で売り出し、仕事がなくなれば辛い決断を迫る···そしてまた違う方法で新たな人材を迎え入れて来た。彼に苦渋を飲まされた人間はたくさんいるよ。けど、それが八乙女宗助という人間だ。あまり触れたくはないけど、キミにも経験があるだろう?」
確かに私がここにいる理由も、社長からの決断の末の事だった。