第7章 予期せぬ出来事
❁❁❁ 百side ❁❁❁
千「それで、小鳥遊社長はなんて?」
収録が終わって楽屋に戻る途中で、偶然にもマリーを売り込みに来てた小鳥遊社長に会って、千の無言の圧力に負けたおかりんが、マリーのスケジュール都合を完璧に押さえる為に小鳥遊社長を捕まえた···んだけど。
思ったより、時間掛かったみたいだな。
岡「あ、はい。今のところ、佐伯さんのスケジュールは比較的押さえやすいと言うことでしたので、Re:valeの空きスケジュールと重ね合わせて頂けるという所まではお約束出来ました」
千「僕たちの空きスケジュール?」
「そんなのあるの??」
岡「えぇ、まぁ···主に夜から朝、とか?」
えっ···夜?
それってオレ達が仕事終わってからってことじゃ?!
「「 ナイスおかりん! 」」
岡「えっ?!」
千「夜から朝って、泊まりがけもアリって事か···男の部屋に自分が所属させてるタレントを泊まりがけ許可するとか···あの社長さん、変わってる?」
岡「信用されている、という事では?」
千「フフッ···そうね」
あ···あのユキの笑い方、危険。
絶対ヤバイ!
絶対マリーを独り占めするつもりだ!
「ユキ。そのボイトレの時ってさ、オレも一緒にいてもいい?」
千「なんで?」
ほら来た、絶対言うと思ったし。
「だってほら、よーーーーく考えてみて?ユキは仕事の事になると平気で飲まず食わずで仕事部屋に籠るじゃん?けど今回はマリーがいるんだし、小鳥遊社長から預かる訳でもあるから食事とか、さ?」
岡「そうですね、その通りです。大切なタレントさんを預かる訳ですから、休憩や食事などは責任を持たなければ···ですよ?」
千「そうね···ちゃんとマリーとモモには食べさせないと」
「ユキは?!ユキだってお腹空いたら困るでしょ!!」
ほっとくと何も食べずに平気でいるんだから、そこはオレが見張っとかないと!
千「僕?僕はお腹が空いたら···愛聖を食べるから心配ないよ」
「そこが1番心配だよっっ!!せめてマリーじゃなくてタンポポにしといて!」
身を乗り出すように叫べば、ユキはポツリと···冗談なのに、と言って少しだけ拗ねた。
いやいやいや···冗談に聞こえないから怖いよ、ユキ。