第7章 予期せぬ出来事
なんで千がっ?!
確かに、もしちゃんと歌うことになったらボイトレは必要だとは考えてたけど!
千···スパルタだよね、きっと。
毎日腹筋100回!···とか言い出しそうだし。
千は線が細いけど、筋肉とかちゃんとしてるし。
割れてるトコは割れてるし?
···私と違って。
小「なんか急に顔色悪いけど、大丈夫?」
茫然としたまま動かない私を覗いて、社長が目の前で手をヒラヒラとさせる。
『だ···大丈夫、です。とりあえず、ボイトレが始まるまでに体力作りを頑張ることにします···ハイ···』
小「あまり無理のないようにお願いするよ。それでスケジュールだけど、とりあえずCMの予定が入らない日はRe:valeのスケジュールと照らし合わせてこちらが動く感じになるから、それが昼間だったり夜だったりするけど···平気?」
『分かりました。お願いします』
あぁ···目眩がしそうだ···と顔を覆ったところで、社長室のドアがノックされ紡ちゃんが入って来た。
小「紡くん、そんなに慌てて何かあった?」
紡「それが、その···皆さんが社長にお話したい事があるのでお時間を、と」
あ、もしかしてさっきの···
書類を片付けながらいると、社長と紡ちゃんが幾つか言葉を交わして、紡ちゃんがみんなを呼びに戻って行った。
『込み入った話かも知れないので、私はこれで戻りますね』
小「いや、いてくれて構わないよ。後々キミに打ち明ける事になるだろうから、それなら今ここに同席してくれてても結果は同じだから」
まだどんな話があるのかも分からないのに、社長はそう言って自分の席へと移動した。
紡「皆さんをお連れしました」
そう時間を開けずに紡ちゃんが戻り、その後ろからメンバーのみんなが入って来た。
壮「お時間を頂いてありがとうございます。あの、社長···実は···」
1歩前に出た逢坂さんと四葉さんが、言葉を選びながら社長に話し出す。
その内容は、私にとって···とても衝撃的な内容だった···