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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第7章 予期せぬ出来事


三「なんなんだよ!話せよ!」

環「俺、妹がいるんだ···施設で一緒に育った。でも、もうずっと会えてなくて、」今も探してるんだけど、見つからなくて···早くしないとアイツ、学校にも行けなくて···働かされるかも、しれなくて。だから俺を見つけて貰いたくて···テレビに出たくて、だから、早くデビューさせてくれるトコに、移ろうと思って···」

四葉さんの話を誰もが黙って聞いていて。

そんな中、自分を見つけて欲しくて早くデビューしたかったっていう四葉さんの言葉が、私の胸を刺した。

だからあの時、あんな事を···

三「な···なんだよ!それを先に話せっての!」

大「説明が足りないんだよ、おまえは!」

一「驚くじゃないですか、いきなり抜けるとか!」

項垂れる四葉さんの周りにみんなが集まり、ワイワイと囲む。

普段から言葉数が少ない四葉さんだからこそ、みんなになんて言ったらいいのか···分からなかったのかも知れない。

早くテレビに出たい。

早くデビューしたい。

そう言い続けていた四葉さんを、私は···なんにも分かってあげられてなかった。

ただ···早くアイドルとして目立ちたいとか、そんな薄い考えしか浮かばなかった自分が悲しくて。

そっと踵を返して、その場を後にした。





足取り重く、社長の所へケガの事を報告に向かう。

俯いたまま歩く私は、通路を曲がりかけるまで人影に気が付かずドンッと曲がり際で誰かと接触してしまった。

『すみません!考え事をしていて···』

小「僕の方こそ···って、愛聖さんだったか。ケガはない?って聞くのも変だけどね」

チラリと私の手を見て、社長が苦笑を見せた。

小「手のケガの事は万理くんから事情は聞いたよ。だけど、大事に至らなくて良かった」

『社長、あの···』

小「ちょうどキミには話したい事があって、万理くんがレッスン場にいるって言ってたから呼びに行くところだったんだよ。だから、お互い話は僕の部屋でって事でいいかな?」

社長室のある方向を見て言う社長に頷き、まっすぐ社長の顔を見る。

小「そんな不安気な顔はしなくていいよ。ケガのことに関して僕は怒ったりしないから。じゃ、行こうか」

そっと私の背中に手を当てながら、社長が歩き出す。

その流れのままに身を任せて、私も重くなったままの足を前へと進めた。
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