第7章 予期せぬ出来事
❁❁❁ 大和side ❁❁❁
やれやれ···と息を吐いて、ドアを開け数歩進む。
目の前にはタマに掴まれて無抵抗のまま壁に押し付けられてるソウと、それを見てオロオロするマネージャー···
「以外だなぁ。グループ初の殴り合いが、この2人とは思わなかった···」
予想外の展開に思わず心の声が出てしまう。
一「悠長な事を言ってる場合ですか!」
陸「2人とも落ち着いて!」
「とにかく手を離せ、マネージャーを怖がらせるな」
ピシャリと言えば、タマはソウから手を離し···ソウはオレと目を合わせることもなく俯いてしまう。
これは···いったいどうしたんだ?
そもそも仲良し2人組って訳じゃなかったけど、こんなにも反発してるとか、今までだってなかっただろ。
「何があった?」
壮「···なんでもないです。僕が少し、言い過ぎてしまって」
環「はぁ?!なんで隠すんだよ!言えよ!!」
壮「みんなに話すことじゃない」
環「仲間っつったじゃんか!」
壮「仲間だからこそ言わなくていい事があるんだ!」
はぁ~···あのおとなしいソウがタマに向かって声を張るとか、今日は珍しい事だらけだな。
「なんか隠してんのか?」
環「俺とそーちゃんに、テレビ出演の話が来たんだ」
三「···2人だけに?」
環「みんなも喜んでくれるだろ?な?」
オレ達に向けて話すタマに、ソウが小さく息を吐き···黙って出て行ってしまった。
環「あ···待てって!」
『四葉さんこそ待って下さい!···いま逢坂さんを追い掛けても状況は変わらな、』
おいおい、コッチも触発されたか??
環「うっせぇな!離せよ!···マリーは関係ねぇだろ!俺たちより後から来たのに先にデビューもして有名になってんじゃん!」
タマとの体格差も力の差もあるってのに、関係なしに止めに入るとか···若さってヤツは。
···とか、オレものんびり構えてる場合じゃないっての。
『っ···それにはいろんな事情があって!』
環「いろんな事情ってなんだよ!俺にだっていろいろ···あぁもう、うるせぇ離せ!!」
大「タマ!!」
『!!』
力で振り払われた愛聖が、オレの目の前で床に叩き付けられる。
それは一瞬の出来事なのに、なぜか···スローモーションのようにゆっくりと見えた···