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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第1章 輝きの外側へ


万「いや、お邪魔っていうか···その、ですね···」

「いいんだよ、万理くん。君だって大人だし、不誠実な関係でなければ僕に気兼ねなく···ご、ごゆっくり」

言いながら改めて万理くんを見れば、彼が言っていたようにまだタオルドライの濡れた髪。

それに、立ちすくむ女性を見ても···明らかに本人の物ではないだろうサイズの大きなシャツ···

あれはきっと、万理くんの物だろう。

開けっ放しになっているドアから見えるベッドは···まぁ、うん···恐らく二人で休んだと思える痕跡。

「また出直すから気にせずに、ね?···じゃ、」

万「ま、待って下さい社長!誤解です!···とにかく中へどうぞ!」

背中を向けると後ろから手を引かれ玄関へと引き込まれ、万理くんにドアを閉められてしまった。

『万理、ゴメンね?それから私···どうしたらいい?』

万「何にも気にしなくていいよ、愛聖」

ん?愛聖?

いま万理くんは、愛聖と言ったか?

失礼だとは思いながらも、女性をよく見れば···寝起き状態の素顔ではあるけど見覚えはある。

彼女は確か、八乙女の所の···佐伯 愛聖じゃないか?

いやぁ、これは驚いたね。

まさか万理くんが八乙女プロダクション所属の彼女と···そういう関係だったなんて。

部屋の中へ通され、お互いにやや緊張気味に向かい合って座る。

万「すみません、これには色々と事情がありまして···どうぞ」

僕の前にコーヒーを出しながら万理くんが目を伏せる。

「ちょっと驚いたのは事実だけど、万理くんだって大人の男性だ。君達の関係に僕が意見する義務もないから大丈夫だよ」

万「だから、その···そうじゃなくてですね···」

珍しく歯切れの悪い万理くんを見ながらカップに口を付ける。

「それで、彼女はいま?」

僕が部屋に通された直後、隠れるように寝室へと姿を消してしまった女性の事を聞いてみる。

万「お待たせしてすみません···さすがにあの姿では、ちょっとアレなんで着替えを」

まぁ、そうだよね。

大人の男が二人もいる場所に、あの姿のままというのは彼女としても···だね。

「女性の支度は時間が必要だ。僕は大丈夫だからゆっくり支度させるといいよ」

そう言った直後、僕の背後でカチャリとドアが開く音がした。

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