第5章 ヒカリの中へ
岡「あの、話が思いっきり逸れてますけど···熱愛発覚だけはやめてくださいね?せめて、相談くらいはして下さいね2人共」
千「相談?じゃあ···カマキリがたくさんいる原っぱはどこか相談する」
「そっちかーい!って、カマキリから離れようよ!」
千「じゃあ、ザリガニ釣りにでも行く?」
「鼻芸から離れて?!それアイドルの仕事じゃないからね!」
クスクスと笑うユキに、おかりんが遂に諦めたのか大きなため息を吐いた。
岡「とにかくですね、いきなりメディアにすっぱ抜かれるような事だけは勘弁してくださいね?交際発覚も、熱愛発覚も、それから···その、さ、授かり婚とか、絶対ダメですからね」
「「 授かり婚?! 」」
授かり婚って、アレだよね?!
授かっちゃったから、結婚する···的な?
いやいやいや、結婚するつもりでいたけど先に授かっちゃった···的な?
そういうつもりがなければ、授かっちゃうような関係じゃないだろうし?
オレだったら、子供はたくさん欲しいよなぁ。
そしたら絶対、男の子がいい!
そんで仕事が休みの日に公園でサッカー教えてあげたりしてさ!
オレも子供達も泥だらけになって家に帰って。
そんなオレ達を見てマリーが笑いながら言うんだ。
パパも大きな子供みたい!とか。
···ってオレはなに真剣に考えてるんだ?!
そしてなんでマリーが特別出演しちゃってくれてんの!!
そりゃあ、マリーが可愛い奥さんだったら···いい、けどさ。
ふと、今日見たマリーが頭を過ぎる。
白いカクテルドレスで、髪もセットアップされてて···キレイ、だったよなぁ···
女の子って、時々ズルいよ。
メイクや衣装でガラリと変身しちゃってさ?
ホント···ズルいよ。
千「モモ、さっきから赤くなったり激しく動揺してるけど···病気?」
「なっ、ち、違う違う!ちょっといろいろオレ事情がっ!」
ユキに見られてたと思うと···超恥ずかしい!!
熱くなる顔をパタパタと扇ぎながら、怪しげに見つめてくるユキとおかりんの視線から逃れるように背中を向けた。