第5章 ヒカリの中へ
❁❁❁ 百side ❁❁❁
岡「もう1度、念のために確認しておきますけど、ほんっとに佐伯さんと熱愛発覚か?!ってのはないんですよね?!···ね?!」
1日の仕事が終わった帰りの車の中。
今日見た会見の事を話しながら、おかりんがユキにマリーとそういう事実はないのかと何度も繰り返し聞いては···ユキにはぐらかされてる。
千「···そうね」
岡「···そうね。じゃなくて、ないんですよね?!」
おかりん···ユキがそういう時って、多分、ほんとにないよ。
そもそもユキはわかんないけど、マリーはユキの事···恋愛対象として見てないっての。
···オレの事もだけどさ。
千「おかりん、しつこい。そういうの、僕にはない。あるとしたら···モモじゃない?」
「オレ?!なんで?!」
千「モモは···好きでしょ?愛聖のこと」
「確かに好きだけど、それは仲間って事でだ···よ?」
ちょっとだけ、違う方向の好きもあるかもだけど。
「そんなこと言ったらユキはどうなの?好きじゃないの?!」
千「僕?フフッ···僕は好きよりも、愛聖を愛してるから」
···うわぁ、出た出た!
ユキの愛してるは、最上級の好きってコトじゃんか!
「ダーリン···オレは?オレの事は??」
千「もちろん、モモ “ も ” 愛してるよ」
「じゃあ···オレとマリーなら、どっちをより愛してる?!」
千「そうね···フフッ···そんなの、言わなくても分かるだろ?」
だからどっちよ?!
むむむっ!と顔を近付けてユキを正面から見ると、ユキはまたフッと笑ってオレのほっぺをムニュっとつまんだ。
千「モモ。僕は、僕を自然体で生きてる。昔も、今も···ね。そこに愛聖やモモや万がいるのは至極当然の事だよ···ただ、万は···欠けてしまったけどね」
どことなく寂しそうに遠くを見るユキに、胸が痛い。
ユキが、まだずっとバンさんの事を大事に思ってるのを知ってるから。
千「いつか···万に会うことがあったら。腹いせに鼻の穴にカマキリを付けてやろうと思う」
···バンさんの危機!!
千「万は虫が苦手だったから、どんな反応するんだろう···フフッ、楽しみ」
もしもユキより先にバンさんに会ったら、鼻は防御して!っていわないと!