第5章 ヒカリの中へ
小「た、環くん?!···それは、内緒の方向で。紡くん怒ると怖いからねぇ···何日も口聞いて貰えないから···ハハ···」
紡さん···あんなに可愛らしい女の子なのに、千みたいなところがあるんだ?
私も気をつけようっと。
環「じゃ、最後はバンちゃんだな」
万「あ、やっぱり俺もなの?」
小「万理くん?···往生際が悪いよ?」
万「いえ、改めてやれと言われると···ちょっと」
小「じゃあ、やれと言われてない時はたくさんしてるって事?」
万「そういう訳じゃ···」
社長、なんか楽しんでる?
小「じゃあ、ここぞとばかりに···ほら、早くやっちゃって?」
万「あ、あぁ!そうそう!環くんがお腹空いてガマン出来なかったんだよね?ねっ?!」
環「そうだった···なんかそう言われると急にめちゃくちゃ腹減ったの思い出した!ボス!早く帰ろうぜ!!」
小「あ、ちょっと環くん?!」
四葉さんが社長の腕を引っ張って走り出す。
それはあっという間に見えなくなってしまって。
『社長、大丈夫かな···四葉さん結構、本気で走って行ったけど』
万「社長が筋肉痛になるなら、明後日位じゃないかな?なんて」
『···社長に言いつけちゃお』
万「こらこら、それは勘弁して?それより愛聖···はい、どうぞ」
どうぞって···?
隣に立つ万理を見れば、にこやかに両手を広げている。
『さっきはあれだけ拒否ってたのに?』
万「だって、社長とか環くんに囃し立てられながらってのは、なんか違うからね」
『まぁ、確かに···じゃあ、せっかくだから···ただいま、万理』
万「おかえり愛聖。今日はよく頑張りました、よしよしっと。あ、でも千との熱愛発覚か?ってのは笑えたけどね」
『あ、それ私も。でも多分、千が見てたら···千も笑ってるかも?』
万「どうだか?意外とシメシメ···とか思ってるかもよ?」
『なにそれ?』
万「いいの、いまの俺も似たようなもんだから」
言い回しが遠過ぎて、よく分からないよ。
だけど、寄り添った暖かさは今も昔も変わらなくて。
安心出来て···
『万理···お腹空いたんだけど···』
万「···はいはい。じゃ、俺達も社長達の後を追いかけますかね」
そう言って体を離すと、私達も寮への道を歩き出した。