第5章 ヒカリの中へ
❁❁❁ 環side ❁❁❁
「そ~ちゃん、あれスゲーな」
バンちゃんとみっきーが次々と料理を作ってテーブルに並べるのを見て、そ~ちゃんに言えば···
壮「そうだね、今日は特別なんだって。いつもは三月さんの手伝いで僕がキッチンに入るけど、今日は万理さんがいるからね」
まぁ、バンちゃんの作る料理は美味しいってマリーも言ってたし。
スゲー楽しみ···っていうか。
「腹減った」
テーブルに並ぶ料理の匂いに負けて、今だったらバレないだろ?と手を伸ばす。
三「環、ちゃんと見えてるからな!つまみ食い禁止!!って、食うなぁ!」
「だって腹減ったんだもん」
口をもぐもぐしながら、これ以上は怒られるよなと諦める。
万「社長も愛聖も事務所には戻って来てるから、もう少し待ってね?」
「事務所でなにしてんの?仕事?」
万「ちょっとだけ打ち合わせがあるからって社長から連絡貰ってるよ」
打ち合わせ?それって時間長いヤツじゃん。
「待てねぇよ!」
万「アハハ···じゃあ、俺がちょっとそこまで見てくるよ。もしかしたら途中まで来てるかも知れないし。三月くん、この頼める?」
三「おぅ」
途中まで来てるかも?
「なぁバンちゃん、俺も一緒に行く!バンちゃんひとりで迎えに行くより、俺も一緒に行ったら早く食えるかもだしな」
一「迎えに行く人数が増えたからと言って、歩く速度が変わるわけではありませんよ」
「いーの!そしたら俺がマリー抱えて走る」
だって会見の後に疲れたって言って倒れたんだろ?
それなのに事務所で打ち合わせしてるとか、もっと疲れてるってことじゃん?
大「愛聖を抱っこして走ったら、タマはもっと腹減るんじゃねぇの?」
缶ビール飲みながらヤマさんが俺に言うけど、平気。
「今よりもっと腹減ったら、その分バンちゃんの作った飯食える」
どうだ、いい考えだろと胸を張ってピースして見せた。
万「たくさん作ったから、環くんがいっぱい食べても大丈夫だから」
エプロンを外しながらバンちゃんが笑って、いっぱい食べても大丈夫って所が妙に嬉しかった。
だって、既にスゲー腹減ってんだからな。
万「じゃ、行こうか環くん」
「おぅ!」
マリーに会ったら、1番先にお疲れさまって···ハグしなきゃだな。