• テキストサイズ

〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第5章 ヒカリの中へ


ぽんぽんっと頭に手を載せる龍を振り返っても、ね?と微笑まれるばかりで仕方なく、渋々···楽の隣に座ってみる。

楽「遅いんだよ、手が痺れるだろうが···ほら」

『え?あ···それはちょっと···』

スっと口元にフォークを出され、思わず身を引く。

楽「ちょっと···なんだ?」

ニヤリと笑いながら言葉を繰り返す楽が、ジワジワと間合いを詰めてくる。

楽···絶対分かってて言ってるよね。

楽「これで食べれないってんなら、口移すぞ?」

口移す···それはもっとムリ!!

『分かった!分かりました!···食べればいいんでしょ、食べれば!』

楽「最初から素直にそうしとけよ」

ほら、と再度勧められて···ぱくり、と食べた。

口の中にほわんと広がる甘い味が、さっきの苦々しいコーヒーの味を消していく。

『···美味しい』

楽「あ、ぁ···そうかよ···そりゃ良かったな」

フイッと顔を背ける楽に、なんか怒らせたかな?と思いながら天の顔を見れば。

天「照れるんなら最初からやらなきゃいいのに」

楽「照れてねぇよ!···ちょっと、アレだ。雛鳥にエサやってる気分なんだよ」

天「雛鳥?楽はいつから雛鳥なんて育ててたの?知らなかった」

楽「天、お前わざとだろ···」

天「さぁね」

『楽って、雛鳥飼い始めたんだ?仕事忙しそうなのに大変だね···あ、長期留守にする事があるなら預かってもいいよ?』

地方に行ったりして帰れないとかあったら、お世話出来ないだろうし。

数日なら私が面倒見れるんじゃないかと思うし。

その時は七瀬さんには近付けないようにしないと···かな?

一織さんが動物とかもダメだって言ってたから。

天『はぁ···こっちは天然』

『天然?なにが?』

天「別に」

龍「愛聖、楽の雛鳥は大丈夫だよ。ちゃんと自分で羽ばたき出したから」

クスクスと笑いながら龍が言って、そこまで大きくなった鳥なんだ?とちょっと安心する。

『そうなの?じゃあもうお留守番出来るんだね』

そこまで小さな雛鳥じゃないなら、私の出番はないか、と笑う。

天「最高級の天然」

『だからなにが?』

天「そして自覚なし」

天の言葉が引っ掛かるけど、まぁいいか?とカップのコーヒーに口を付けた。

/ 1348ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp