第5章 ヒカリの中へ
『それに、糖分は脳にいいんだよ?エネルギーにも変わるし、龍達はいっぱい体動かすからお砂糖あった方がいいんじゃない?』
天「それはあくまでも一般論でしょ。糖分の摂りすぎは体調管理の妨げになる···そう言えば愛聖、少し見ない間に丸くなったんじゃない?」
『うそっ?!』
咄嗟に自分の顔や体を確認して、そんな事は···ない!と言い聞かせる。
だって、時間があればちゃんと体動かしてるし。
···みんなの完コピ的なアレで。
もしかしてもっと動いた方がいいのかな?
それとか、後は食事バランス···とか?
帰ったら運動の事は四葉さんに、ご飯の事とかは三月さんやいろいろ詳しそうな一織さんに相談してみよう···
でも、三月さんのご飯···美味しいんだよなぁ。
龍「天、愛聖が本気で悩んじゃってるから。愛聖、今のは天のいつものだから気にしなくていいいよ。あ、でも愛聖は少し線が細いから、ちょっと食べても大丈夫だよ」
楽「そのちょっとが命取りかも知れないけどな?」
『楽!!』
フッ···と鼻で笑いながら言う楽は、早くコーヒー持って来いよと言ってソファーに背中を預けた。
ここ、私の控え室だったよね?
なんて思いながら、みんなの前にカップを置いた。
天「で、愛聖は楽と社長···どっちのケーキから食べるか決めたの?」
『あ、まだだけど···でも、きっとどっちも美味しいから』
楽「だったら決まりだな。愛聖、こっちを先に食えよ」
カサリと音をさせながら、楽が自分の持って来たケーキの箱を開けて箱を開いた。
楽「ちゃんとフォークも付けたから、すぐ食えるぞ···こうやって、ほら、口開けろ」
フォークの先でひと口分のケーキを取り分けた楽が、さっき龍がしたみたいにそれを向ける。
『命取りとか言ったくせに』
楽「いいから黙って食え」
とりあえず食べれば楽の気も済むだろうとフォークを受け取ろうと手を伸ばすと、ひょいっと交わされてしまう。
『あ、そういう意地悪しないでよ楽』
楽「立って食ったら行儀悪いだろ···ここ、座れよ」
楽は自分の隣をチラリと見て、早くしろと続ける。
龍「楽は素直じゃないから···愛聖、とりあえず楽の隣に座ってあげて?」