第5章 ヒカリの中へ
私が変な事を言ったから、社長が返答に困って天井を仰いだり、何かを言おうとはするものの微妙な空気が流れていた。
『あの、なんかすみません···でした。私が変な事を言ったから···』
小「いや、僕もちゃんと説明すれば良かったんだけど···その、脱いで貰うってのは、怪しげな撮影なんかじゃなくて、」
ー ねぇ、ここで合ってるんじゃない?ネームプレートあるんだし ー
ー 確認なしにドアを開ける訳には行かねぇだろ ー
小「誰か来たみたいだね」
話の途中で外から声が聞こえ、小鳥遊社長がドアへ向かった。
ー だったら確認すればいいじゃないか。なんなら俺が聞いてみるよ ー
この声、龍?
ってことは、あと2人は楽と、天?
ちょうど社長がドアの前に着いた時、遠慮がちにノックされて社長がそのままドアを開けた。
小「はい···あ、君達は!」
龍「あ、えっと、こんにちは、と、TRIGGERです」
小「ハハッ、もちろん知ってるよ。八乙女なら、少し前に帰ってしまったよ?」
楽「親父には別に。俺達は···愛聖に会いに来たんです」
楽から待ってろとは言われたけど、まさかここにTRIGGERの3人が揃うとは···予想してなかった。
天「すみません、中に入っても?」
小「あぁ、もちろんだよ。さ、どうぞ」
「「「 失礼します 」」」
う、うわ···来た···
っていうか、天···あの顔ヤバい。
社長がいるからにこやかにはしてるけど、私を見る目が···鋭い···
天「愛聖」
『はいっ!』
思わず仰け反りながら返事をすれば、天が怪訝そうな顔を見せてきた。
天「会見の後、倒れたとか···」
『あ、ちょっとだけ···疲れちゃって、その···』
天「ボク達から雲隠れしてくれてる間の健康管理、どうしてたの?」
『ど、どうだったかな···アハハ···』
ひぃ~···天の顔が、めっちゃ怖いんですけど?!
龍「天、あんまり責めるなって···愛聖、ちょっとこっち向いて?···あぁ、まだ少し顔色が悪いな。熱とかは···ん~、大丈夫みたいだけど」
天の肩を叩いて、龍が前に出てくるも···か、顔が、近いよ!!
この現代におでこをくっ付けて熱を計る人はそうそういないから!
けど、なんか体が硬直して動けない!!