第5章 ヒカリの中へ
何を焦っているんだか分からないけど、とりあえずは···
「モモは、愛聖と···したい?」
音楽か、映像か···その気になれば、ライヴとかも?
百「ユ、ユキ?!急になに言ってんの?!」
「だから、モモは愛聖としたいか聞いてる···一緒に仕事」
百「そっち?!」
「そっちって?」
他にどう取ればそんなに焦るんだ?
百「し、仕事ね、仕事!もちろんマリーとまた一緒に仕事出来るなら嬉しいよ!」
「そう。じゃあ···やっぱり、歌わせるかな」
モモは音楽での仕事を希望···と。
百「歌わせるって?」
「愛聖と約束しただろ。再活動したら、僕の作った曲を歌うって」
岡「えぇっ?!そんな約束いつしたんですか?!」
なんでおかりんがそんなに食いついて来るんだ?
「いつって、僕と一夜を過ごした時···かな?」
岡「一夜?!」
百「わぁぁぁぁっー!!ユーキー?!」
別に行きずりのオンナとベッドを共にした訳じゃないし、相手は愛聖なんだから慌てることないのに。
それに僕はモモと違って、オイタはしてないけど?
軽くため息を吐いて、それならまずはやる事があるな、とおかりんと向き合う。
「おかりん、そういう事だから···あの事務所に連絡して愛聖のスケジュール押さえて。ボイトレさせなきゃ」
あの夜、バルコニーで歌声は確認済みと言えば確認済みだけど。
ちゃんとした物に仕上げるなら、ボイトレくらいさせとかないと···僕の体が空けば僕が練習させてもいいんだけど。
岡「わ、わかりました!会見が終わったらすぐにでも!」
「おかりん、その押さえるスケジュールって僕のオフに合わせといて···ボイトレは、僕がやる」
岡「予定を合わせる事は出来ますよ。オフがあれば、ですけど」
「じゃあ、作って」
岡「またそんな無理難題を···」
「作って、ね?」
苦い顔を見せながら自分の手帳を開いて、おかりんがRe:valeの予定をチェックして行く。
そんなおかりんを1度見て、そろそろ始まるかな?とテレビ画面へと視線を流した。