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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第5章 ヒカリの中へ


一「とにかく、無事に降りれたなら構わないでしょう」

『すみません、お騒がせしました···四葉さんもありがとうございます』

環「ん」

四葉さんにそっと降ろされて、足に床の感触を感じるとホッとして、その場にペタリと座り込んだ。

三「おい、大丈夫か?」

『はい、すみません。なんか気が抜けたらお腹空いちゃって』

壮「そう言えば、愛聖さん寝ちゃっててお昼ご飯食べてなかったから」

陸「じゃあ、朝ごはん食べたっきり?」

あ、そう言えば···

『朝ご飯も食べなかった···かな』

「「 えぇっ?! 」」

だって百ちゃんが起き出して来た時は朝ご飯を食べるにはいい時間だったけど眠かったし。

千が起きて来る前に帰ろうとか思ってたし。

『うっかり食べ損ねました···』

一「あなたバカなんですか?!朝から食事を摂ってないなんて有り得ません!」

そう言われても、細かい事情は説明出来ないし···

環「···ひとくち食う?」

『え?』

目の前にスッと差し出されるスプーンの上で、プリンがプルプルと揺れている。

壮「た、環くん?それは環くんが食べ途中の···」

環「食わねぇの?腹、減ってんだろ?」

いつもなら、どんなに二階堂さんがひとくちくれって言っても絶対にあげないのに。

『じゃあ、せっかくなので』

口元に運ばれるスプーンから、躊躇いなくプリンを食べると···口の中に甘い香りが広がっていく。

『···美味しい』

環「ん···じゃ、もっかい」

スプーンでまたプリンを掬って、四葉さんが私の口へと運んでくれて、私はそれを食べた。

『美味し過ぎて、余計にお腹減る···』

三「分かった分かった。時間も時間だし、なんか簡単なもの作ってやっから待ってろ」

壮「僕も手伝います」

そう言ってキッチンへと向かった2人が作ってくれた物はフレッシュトマトと野菜がたっぷりのスープリゾットで、残さず美味しく頂いてしまった。

それを作ってくれている間に荷物を片付けているとスマホにおびただしい数の千からの着信を見つけて慌ててラビチャを送るなどの作業をした。

千が寝ている間に帰ったことを随分と拗ねてはいたけど、またお泊まり会しようね?って機嫌を取って何とかその場を凌いだ。

私の···とても長い1日が終わった瞬間だった。

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