第5章 ヒカリの中へ
❁❁❁ 百side ❁❁❁
「たっだいまダーリン!」
今日はユキん家でご飯を食べる約束だからと急いで戻って見れば···
千「モモ···ちょっと大事な話があるんだけど、いい?」
さっきツボりまくってたのとは正反対の、無表情で迎えられる。
「えっと···なんだろ?なに食べたい?とかそういう話···って、それ···オレのスマホ···?」
ユキが握り締めているスマホは明らかにオレので、その画面からユキは目を離さないで固まってる。
千「さっき、モモのスマホに着信があったよ···愛聖から」
···バレた?!
もしかして百ちゃん、ピンチ?!
「そ、そうなの?!マジで?!トイレ行ってる場合じゃなかったなぁ···なんて、ハハッ···」
千「モモ、僕の目を見て正直に話して···愛聖とは、いつから連絡···取り合ってた?」
こ、怖い。
超久々にユキが怖い顔してる!!
オレってばマジで今ピンチ到来じゃん?!
だけどマリーとは約束してるし!
それを話す訳にはいかないし?!
ど、どどど···どうしよう!!
千「モモ?話してくれないなら僕は···」
「ユキ、は···?」
ゴクリと息を飲み、言葉を繰り返す。
千「どうしても話してくれないんなら、強行突破に出る」
強行突破?!
···って、なにするつもりダーリン?!
無表情のまま一歩ずつ間合いを詰めてくるユキに、オレは思わず···1歩ずつ下がった。
けど、それもすぐに後ろの壁に阻まれて行き先を見失ってしまった。
それでもまだ近付いてくるユキを、どうやって回避しようかと頭を働かせる。
「あ、あのさユキ!ちなみに一応聞いとくけどさ!···強行突破って、何する予定?!」
他に言う事はないのかオレ!と思いながら、迫り来る無表情のユキから目が離せない。
バンッ!と耳元で音がして、眉ひとつ動かさないユキの顔がオレの真正面に来た。
って!
これって壁ドン?!
「ダ、ダーリン?ちょっと近過ぎじゃない?!」
千「···Re:valeを、解散する」
なんだってぇぇぇ?!
「ユ、ユキ落ち着いて!ね、話せば分かる!絶対!っていうかユキ怖い顔!アイドルはスマイル命!ね?!」
千「Re:vale辞めるんなら、スマイルは関係ない」
マリー···百ちゃん究極ピンチ!!