第4章 カケラの眩しさ
❁❁❁ 楽side ❁❁❁
これは···
仕事が終わり部屋に戻って、何気なく開いた情報サイトの1枚の画像に目を留める。
題名の部分には···
〝 Re:valeの百が撮影してた所に遭遇!! 〟
そう書いてある。
確かに遠目ではあるけど、この風貌は百さんだと分かる。
撮影···多分それは、こないだ局で会った時に聞いた単発ドラマの撮影だろうな。
ただ気になるのは、このいかにも撮影のワンシーンのような抜き出しの画像。
顔は百さんの体でそれとなく隠されてはいるが、どことなく···雰囲気に見覚えがある気がする。
愛聖に···似ている。
深めに被ったキャップ、カジュアルな古着のような服装···それに、サンダル···
このサンダルは···愛聖がよく履いてた物とよく似ている?!
じゃあ···百さんはもしかして···?
いや、違うだろ。
もし百さんが愛聖を見つけたとなれば、まずは千さんやオレ達に連絡くらいくれるだろ。
他人の空似、か?
それにしても、撮影にしては変だと思える所は幾つかある。
まず、撮影ならば···極少人数でも撮影スタッフが周りにいるハズだ。
なのに、この写真ではスタッフらしき人間はどこにも見受けられない。
人集りが出来ていても、それを遮るスタッフもいない。
本当に撮影だったんだろうか?
オレの知る限り、そんな撮り方をするというのは聞いたことがない。
更に言えば、撮影であるならどんな新人女優を使っても顔は映るだろ。
なのにこの感じだと、どうにかしてでも顔は周りから見えないように工夫されているようにも見える。
···何か、変だ。
かと言って、大先輩に当たるRe:valeの百さんに隠し事してないか?なんて聞けるワケもない。
パソコンを閉じて軽く目を閉じ、大きく息を吐く。
いったい、どこで何をしているんだ···愛聖。
未だ連絡さえ取れないままの最後に見た姿を思い浮かべながらスマホを開く。
その指先は当たり前のように掛け慣れたアドレスを辿る。
何も話せないなら、それでもいい。
ただ、この番号が繋がっていることだけでも···
そう思いながら、そっと通話ボタンを押した。