第4章 カケラの眩しさ
❁❁❁ 壮五side ❁❁❁
「えっ?愛聖さんが洗濯係を?」
『はい。昨夜色々と皆さんにご迷惑をお掛けしてしまったのと、レッスンがある皆さんとは違って私は比較的時間があるので掃除や洗濯をお手伝いしようと決めたんです』
昨夜···僕も途中から記憶か曖昧だから、実際は何があったのかはあまり良く分からないけれど。
目が覚めたら部屋で眠ってしまっていたし。
「そうは言われても、さすがに全員分ってなるとかなりの量になるし僕も手伝うよ」
『いえ、大丈夫です。各部屋のお掃除とお洗濯は私が頑張りますから。逢坂さんは三月さんの食事当番の方をお願いします···私は、その···そっちはお手伝い出来なさそうなので』
なるほど···掃除や洗濯は大丈夫だけど、料理に関しては苦手だって事なのか。
「分かった。料理の事は少しずつ僕や三月さんが教えてあげるから気にしないで。それより洗濯だけど···僕は起きがけに終わらせてしまったから大丈夫なんだ。掃除も今さっき終わってしまったし···」
『そう、ですか···』
困ったな···何かしたいと言う気持ちは分かるんだけど、お願い出来る事がないというか。
あ、そう言えば···!
「愛聖さん、僕が今朝洗濯をした時に柔軟剤の買い置きがなかったんだ。今日これからみんなの分を洗濯するなら買ってこないと足りないと思うんだ」
『買い置き、ですか?』
「うん、そう。これから僕が行って来るから、その間に誰かの分を洗濯してれば大丈夫だから」
『それなら私が洗濯機回してる間に行って来ます。七瀬さんに道順とか教えて貰ったし、それ位のお使いなら私も行けますから』
「でも、荷物重くなるから僕が···」
一緒に、と言おうとして止められる。
『こう見えても力持ちなんですよ、私?』
ガッツポーズのような姿を見せられても困るんだけどな。
「愛聖さんは業界で先輩なのに、雑用とか···」
『逢坂さん、前にも言いましたけどココでは私が1番新人なんです。雑用として遠慮なくパシって下さい』
この世界では凄く先輩に当たるハズなのに···ホントにそれでいいんだろうか。
そんな事を考えながらも、結局は押し切られてしまう僕がいた。