第21章 ココロ、重ねて
『なんでって、見れば分かるでしょ?龍だったら少しくらいの突進に負けないこの腹筋とか・・・』
背後から手を伸ばし、スルスルと龍のお腹を触ってみせる。
龍「あ、あの愛聖?それはちょっと擽ったいというかなんと言うか」
百「あーっ!!ズルいぞ龍!!」
千「愛聖もだよ。僕という者がありながら不埒に他の男の体を触るだなんて・・・ほら、触りたいなら僕のお腹を差し出すのに」
言いながら服を捲ろうとする千に待ったをかけて、差し出されたところで触りませんが?と笑い返す。
『そもそも私が龍を盾にしたのはもちゃんも千も突進するからでしょ?いっつも鼻が潰れないか心配になるんだからね?』
千「愛聖の鼻が潰れても、僕は愛せるけど?」
百「オレもオレも!」
『そういう問題じゃないでしょ!全く・・・』
千や百ちゃんには何を言っても聞く耳持たれない事は分かってるから、早々と話を切り上げる。
小「そろそろ控え室に行こうか?さっきのスタッフから場所は聞いたから」
『ですね。身支度もあるし、時間まで社長とお茶飲みしたいです』
小「僕でいいのかい?」
『社長がいいんです』
静かにゆっくりとできるからと笑って、龍たちにもまた後でね?と軽く手を振りその場を後にした。
・・・はずだったのに。
『岡崎さん・・・なんで千と百ちゃんが私の控え室にいるんでしょうか』
岡「はい・・・これに関しては本当に申し訳ありません」
『別に岡崎さんが悪い訳じゃないのは私も分かってます。悪いのは当然・・・千!百ちゃん!ハウス!!』
この2人なんだから!
千「ほらモモ?愛聖がハウスだって」
百「え?!オレだけ?!」
『なに他人事みたいに言ってるの!千もハウス!さっさとRe:valeの控え室に行ってくれないと私が身支度出来ないでしょ!』
千「気にするなって。僕はそんなの見慣れてる」
『そんな訳ないでしょ!つべこべ言わずに出てって!ほら早く!』
渋るふたりの背中をグイグイと押してドアの外へ出し、岡崎さんに後はよろしくデス!と笑ってそのままドアを閉める。
『全く・・・ちょっと油断するとすぐこうなるんだから』
はぁ・・・と盛大なため息を吐けば、一部始終を見ていた社長が楽しそうに笑っている。
『お騒がせしました・・・Re:valeが』