第4章 カケラの眩しさ
ナギさんの悲痛な叫びを受けながら、サラリと交わして部屋を後にする。
いくらなんでも、あんな魔法少女的な衣装を着て欲しいとか、私には可愛らし過ぎて···じゃなくて!
···三月さん、アレ着たんですね。
酔っていたとはいえ、ある意味ファイターです···三月さん。
それにしても。
ナギさんから聞いた話を思い出し、めまいを感じる。
それこそ酔っていたとはいえ···二階堂さんに抱き着いたり、その···まぁ···いろいろと大変な事をやらかしたようで。
更に言えば万理にも絡んでたとか。
もしかしたら、ナギさんが知らないだけで他にも何かやらかしているのかも知れない。
だって、その辺の記憶がない上に目が覚めたら自分の部屋って事は誰かが運んだってことでしょ?!
···ありえない。
これからはお酒の席では気を付けよう。
と、言うより。
最初の一杯だけとかにしよう。
うん、それがいい。
そしてみんなには、朝一番で盛大に謝らなきゃ!
昨日のお詫びと言う訳ではないけど、今日は丸一日みんなの為に家事をしよう。
···料理はムリだけど。
洗濯や、掃除、買い出しとかなら何とかなる。
調理に関しては、三月さんや逢坂さんの助手···くらいなら出来るかも知れない。
···逆に邪魔になるかも。
こんな事になるなら、もう少し料理が出来るようになっとけば良かったなぁ。
八乙女社長は、料理なんかして怪我や火傷をしたら仕事にならないだろう!とか言って、そこだけはやらせてくれなかったから。
あれ、でも?
楽や龍達は自炊とかたまにしてたよね?
お互いオフがあった時に家に招いてくれた事もあったし。
天も気が向いた時に何か作ったりしてた。
なんで私だけ??
一応、女子なのに?
才能がないってこと?
八乙女社長はそれを早くも見抜いて、とかじゃないよね。
だって怪我や火傷をしたら仕事にならない!とか言ってたけど、車の免許は取れ!とか。
若干、矛盾。
そんな事より!
今はこれから起き出してくるであろうみんなに、なんて謝ろうかを考えないとだよ。
あぁ、朝から気が重い。
けど、まずはあの散らかり放題のリビングを片付けないと学校組の朝ご飯だって困るだろうし。
···ご飯は作ってあげられないけど。
ヘコんだり浮上したりしながら、私はリビングのドアを抜けた。