第1章 輝きの外側へ
❁❁❁ 大和side ❁❁❁
環「俺の王様プリンがない!!」
ナ「oh···コレはタマキのだったんデスか」
環「ナギっち!!ちゃんと蓋に名前書いといた!」
ナ「sorry···でも!王様プリンオイシイデース!」
また始まった···
「ほらほら、お前らうるさくしてると怒られるぞ?」
環「だってヤマさん!オレのプリンが!!」
「分かった分かった。いまミツとソウがコンビニ行ってるから買って来て貰えるように言っ、」
壮「戻りました」
タイミング悪し。
環「そーちゃん!オレのプリンは?!」
壮「え?!環君から頼まれたのって、チョコレートだったよね?」
「ナギがタマのプリン食っちまったんだよ」
仲裁に入りながら事情を説明すると、ソウはそれなら···と、自分の分をタマにあげると言ってその場を収めた。
三「壮五は環に甘いんだよ···」
ミツ···そういうお前もイチには甘いトコあるぞ。
三「それよりさ!大ニュースだよ!」
「大ニュース?」
ちょっとばかり興奮気味にミツが言うと、タマもナギもそれに食いついて来る。
環「みっきー、ニュースって?!」
三「オレらコンビニじゃなくて、その先のスーパーまで行ったんだけどさ!」
「スーパー?閉店前の値引き争いに参戦か?」
三「そうそう!肉や魚がオール半値以下で!って違う!いや違うわないけど!」
どっちだよ。
三「見ちゃったんだよ、オレ達!」
壮「三月さん!」
ミツが話し出すと、慌てた様子でソウが止めに入る。
「ソウ。そんな風に間に入られちゃうと、お兄さん余計に気になっちゃうなぁ···ってことで、ミツは何を見たんだ?」
缶ビールのプルタブを開けながら、横目でミツに問いかける。
三「それがさ!万理さんだよ!」
「って言われてもな。お兄さんだって今日も万理さん見たぞ?」
三「そうじゃなくて!女の人と抱き合ってたんだよ!」
「マジか?」
口を付けかけた缶ビールの手を止めながら言えば、ミツはコクコクと大きく頷いた。
へぇ、あの万理さんがねぇ。
「ま、アレだ。万理さんだってオトナだし?お年頃だしってヤツなんじゃないの?彼女の一人や二人いたっておかしくないだろ」
いや、二人いたら問題か?
「どっちにしろ、俺達が気にする事はないさ」
そう言ってようやく缶に口を付けた。