第4章 カケラの眩しさ
軽くシャワーを浴びてサッパリするも、昨夜の事がいまいち思い出せずにモヤモヤは残る。
逢坂さんの作ってくれたカクテルを飲みながら、暑いねとか、喉渇くねとか、そこら辺までは思い出せてるんだけど。
···その後がサッパリ。
タオルドライをしながらバスルームから出ると、ちょうど部屋から出てきたナギさんと出くわしてしまう。
『あっ、えっと···おはようございます、ナギさん』
ナ「おはようございます!朝からマリーに会えるとは、ワタシはとっても幸せデス!···濡れた髪がセクシーデスよマリー?」
おもむろに近付いて髪をひと掬いして、ナギさんはそれに口付ける。
少し慣れて来たとはいえ、まだまだナギさんのスキンシップの多さには戸惑いを隠せない。
とか言ってる場合じゃない!
ナギさんも昨夜はあの場にいたんだから!
こ、ここは勇気を出して昨日何かあったのか聞けるチャンスでは?!
『あの、ナギさん···ちょっとお聞きしたい事があるんですけど、いいですか?』
ナ「ワタシに?オッケー、では立ち話も味気ないので···どうぞコチラへ」
いや、なぜナギさんは自分の部屋のドアを開けるのだろうか。
『ここで、立ち話でいいんですけど···』
そう言ってみるも、ナギさんはニコニコとしながらスマートに私の背中を押した。
ナ「キュートなレディに立ち話をさせるほど、ワタシはブシツケではありませんよ?」
不躾とか、どこでそんな言葉を覚えたんだろう。
···時代劇か?!なんて心でツッコミを入れて、つい笑ってしまう。
ナギさんって、謎過ぎる。
部屋の中へ通され、ふかふかのソファーに促されるとナギさんは当たり前の様にピッタリと隣に腰を下ろした。
距離、近過ぎるのでは??
ナ「マリー、ワタシに質問って?」
至近距離で囁くように言うナギさんをサラリと避けながら、聞きたい事は昨夜の事だと告げると、ナギさんはフワリと笑って···知らない方がいいですよ?と答えた。
知らない方がいいって···逆に気になるよ!!
それとも、知らない方が幸せだと言うほど···私は何かやらかしたの?!
···なんかナギさんから聞くのが怖くなって来た。
ナ「でも、マリーからの質問です。ワタシが全てお答えしましょう」
『はい、じゃあお願いします···』