第20章 明かされた事実
それに昨日は社長もそんなこと言ってなかったのにと昨日の事を思い出せば、確かにRe:valeが同席するだなんて言ってなかった。
百「それはさ、実はそこ映画にオレも出るかもなんだよね。そんでもってユキも音関係で参加するって感じでさ」
『え?!そうなの?』
楽しそうに話す百ちゃんを見て、千も笑みを浮かべて頷く。
『って事は、もしかして・・・』
今夜のその席は、穏やかではない・・・?
ひとり今夜の予定に頭を悩ませ始めると、ブルブルとスマホが震えだし着信を告げる。
『はい佐伯で・・・あ!ごめんなさい!ちょっと自販機まで来ていて。すぐ戻りま、あ、百ちゃん?!』
何も言わずに楽屋から姿を消していたから、戻って来た紡さんから慌てて電話が来て居場所を告げていると、横からスッとスマホが取られてしまう。
百「もしもーし!こちらRe:valeの百ちゃんでーす!今さ、マリーと自販機の所でバッタリあってこれからそっちまで送ってくトコだから心配しないで?それとさ、マネ子ちゃんも何か飲む?優しいユキがご馳走しちゃうから!」
千「僕かい!って、まぁいいけど」
また始まったよRe:vale劇場・・・
百「いいのいいの!いっつもウチのマリーがお世話になってるんだから遠慮しないで?そうそう!じゃ、甘いヤツなんか選んで買ってくね?じゃーねー!」
いま、ウチのマリーって言ったよね?
私はいつの間にそうなったんだか。
百「はい、スマホ返すね。マネ子ちゃん、甘いのだったらどれでもいいって言ってたよ。って事でユキ、どれにしようか選んで?」
千「選ぶのも僕かい。甘いのって言われても、あ、女の子だからりんごジュースとか?」
『ちょっと待った!』
自販機に並んだ飲み物を眺めながら財布を出し始める千の手を掴んでそれを止めると、千はものすっごく楽しそうに私のその手を握り返す。
千「こんな公衆の面前で僕と手を繋ぎたくなるだなんて、それは僕への愛だね?」
『違うから!っていうか、離して千!なんでこんな恋人繋ぎへと変化させてるの!私はただ、千や百ちゃんにいきなり飲み物買わせるとか悪いから自分で買おうとし、て・・・』
そこまで勢いで言って、なぜ自分が自販機の前で足止めしてたかを思い出し額に手を当てる。
そうだった、釣り銭切れだった事忘れてた・・・