第4章 カケラの眩しさ
❁❁❁ 万理side ❁❁❁
環「バンちゃん、大変。ヤマさんが俺にバンちゃん呼んで来いって」
「大和くんが?」
早々と酔い潰れてしまった三月くんの様子を見ていると、環くんが微妙な顔をして俺を呼びに来た。
環「バンちゃん、アレ見て。マリーが酔っ払いになった」
「えっ?!そっちも?」
環くんに促され様子を見れば···
『一織さんが怒ったぁ···怖~い』
大「あ、おい、抱き着くな!ソウ、そっちから剥がし、」
壮「うふふふ···愛聖さんカワイイ~!いおりんは···僕がギューしてあげる~」
一「お、逢坂さん?!離して下さい!」
なんて言うか、凄い事になってる···?
環「な?大変だろ?」
「アハハ···確かに大変だね。紡さん、悪いけど三月くん頼める?って言っても、様子を見てるだけで他にやる事はないんだけど」
近くで社長と話をしている紡さんに声をかけると、向こうで繰り広げられている状態をふたりが見て驚いている。
小「随分と楽しんでくれてるみたいだね?」
紡「そういう問題じゃないですよ、社長···」
「とにかく俺、行ってきます。じゃないと大和くんの貞操の危機的状況みたいなんで」
はぁ···と小さく息を吐き向こうに目をやれば、大和くんが明らかに助けを求める視線を投げている。
小「僕も行こう。万理くんは愛聖さんを、僕は環くんたちと壮五くんを面倒見る事にするよ」
「社長···もしかして楽しんでます?」
そう言うと社長は、ご想像にお任せします、と楽しそうに笑いながら先に動き出した。
ご想像にお任せしますって、それって結局···まぁ、いいか。
それより早く愛聖を何とかしないと···って、ええっ?!
いつの間にあんな状態に?!
『二階堂さんは優しいから···チューしてあげます』
大「い、いや···遠慮しとくわ···ハハッ」
『遠慮しなくていーですよ?』
大「違うっての!だから、それは酔ってない時にお願いします!」
『酔ってないも~ん···えへへ···』
これは由々しき一大事だ!!
「ちょっと待ったぁ!!」
慌てて駆け寄り、手のひらで愛聖の口を押さえる。
「セ、セーフ?!」
大「セーフ!!···マジで危なかったぁ···」