第4章 カケラの眩しさ
「二階堂さん?じゃないっての。こんだけ酔いが回ってたら、外の空気吸えばどうにかなる感じじゃないから部屋で休んどけ。連れてってやるから···な?」
『私は酔っ払ってないですよ~だ···ふふふっ···楽しくてフワフワしてるだけだもん』
相当酔ってんな、こりゃ。
「あのな、酔ってるヤツほど酔ってないって言うんだよ。いいから掴まれ、立てないなら抱えるけど?」
『へーき!酔ってないも~ん···二階堂さん、いじわる』
おっ、と。
目をうるうるさせて言われると、酔ってるヤツだと分かってても···こんな面もあるのかと引っ張られそうだ。
タマに万理さん呼びに行かせて大正解だったわ。
これは多分、オレはあんまり強引には手が出さない方がいい···気がする。
そこんとこ万理さんなら、付き合い長いみたいだし?
多少の強引さは周りのヤツらだって、変に意識しないだろ。
『おやすみなさい···』
「あ、こら寝るなって。起~き~ろ!」
『二階堂さん、うるさぃ···』
完全アウトだな、まったく。
陸「大和さん、水です。冷たいのって言ってたから氷も。飲みやすいようにストローも」
「気が利くな、リク。ほら愛聖、これ飲んどけ」
リクからグラスを受け取り、愛聖に持たせながら手を添えてやる。
『甘くない···甘いのがいい~!逢坂さ~ん、さっきのまた作ってぇ~』
壮「え?あ、じゃあ···」
「待てソウ、作るな」
愛聖に流されてキッチンへ行こうとするソウを捕まえて止める。
『また二階堂さんがいじわるする~!』
「だから、いじわるじゃないっての!」
一「なんの騒ぎですか、ここは」
ミツが寝落ちして手が空いたイチが来て、事の成り行きを話せばあからさまにため息をつかれる。
一「佐伯さん、酒は飲んでも飲まれるな···と言う言葉はご存知ですか?」
イチ、それいま言っても通じないだろ。
相手は既に飲まれてんだから。
『一織さんが怒ったぁ···怖~い』
「あ、おい、抱き着くな!ソウ、そっちから剥がし、」
壮「うふふふ···愛聖さんカワイイ~!いおりん···僕もギューしてあげる~」
一「お、逢坂さん?!離して下さい!」
こっちも発動?!
頭か痛くなりそうな状況に、軽くこめかみを押さえた。