第19章 魔法のコトバ
❁❁❁ 万理 side ❁❁❁
「NEXT Re:vale の特別企画にアイドリッシュセブンと愛聖が?」
急遽飛び込んだ岡崎事務所での打ち合わせから戻った社長が、俺にその内容を話してくれた。
小「そうなんだよ万理くん。絶対王者のスーパーアイドルRe:valeに、こんなにも可愛がられているアイドリッシュセブンは幸せだと思わない?」
「えぇ、俺もそう思います。けど、微妙に愛聖が不機嫌さを出してるのはどうしてですかね」
社長室のソファーで資料を読み込む愛聖の眉が寄っているのを聞けば、だって、と零しながら顔を上げる。
『確かにそれは凄い企画だと思うけど、どうして千たちは私がいない時に社長と打ち合わせとかしちゃってるの?って。帰りの車で社長から聞いた時、いつの間に?!って思った方が先だったし』
ぷぅ~っと頬を膨らませて子供のように拗ねる愛聖に、社長が笑う。
小「きっとそう言うだろうと思って、僕も話を聞きながら逆サプライズを考えたんだよ。あの番組のプロデューサーなら僕も昔から知っているし、ね?」
『逆サプライズってなんですか?』
小「それはね・・・」
ニコニコとしながら話し出す社長の提案に、愛聖も俺も耳を傾ける。
それは驚きの内容で、それがもし成立するとしたらRe:valeは、いや、千はきっと目を丸くするだろう。
小「・・・っていう僕の思いつきでもあるんだけどね。どうかな?」
『それ楽しそうですね!私は大賛成です。でも、そうなると誰がそれをやるかって言うのが問題というか?アイドリッシュセブンは新人賞受賞に向けての活動もあるだろうし、番組収録までの時間を考えるとあまり余裕もないような』
社長の話を聞いて俺も思った事を愛聖が率直に言うのを聞いて頷いた。
「Re:valeの曲をコピーってなると、それなりに練習も必要だし衣装はどうしようとか他にもいろいろあります」
小「そうだね。でも心配はいらないよ?今回の番組出演に関する人選は既にピックアップしてみたんだ。ほら、こんな感じはどう?」
社長がパソコンに打ち出した案を俺たちの方に向け、愛聖と一緒にそれを見る。
『私の曲に、三月さんと一織さん・・・それからMEZZO"の曲を組み込んで、Re:valeの曲を・・・えぇっ?!』