第4章 カケラの眩しさ
やれやれ、と心配な顔をしているのと、それとは逆に、どうぞ、と穏やかに微笑む逢坂さんとの間で私はグラスに口を付ける。
『二階堂さん、甘くて美味しいですよ?お酒の感じとか、あんまりしないから』
大「いや、だから危ないんだって。ま、飲みすぎんなよ?」
小さく息をついてから、二階堂さんがみんなの所へ会話に混ざりに行ってしまう。
こんなに甘くて美味しいのに、変な二階堂さんだなぁと思いながら、ついその甘さに引かれてグラスを空けてしまう。
壮「気に入ったなら、また作ってあげるよ?」
逢坂さんの言葉に甘えて、会話を楽しみながらも何度か同じ物を作って貰い、その都度いろいろなお酒の話や、それに纏わる音楽の話を聞かせて貰いながら時間を楽しんだ。
歳も同じって言う辺り、それなりの話題で盛り上がったりしてふたりでずっと話していると、それを見ていた四葉さんや七瀬も会話に加わり、笑ったり、じゃれあったりしてるうちに···ふと、気付く。
なんだか、フワフワしてる。
みんなとこんな風に過ごす時間が楽しくて、興奮気味なのかな?
それに、この部屋もなんとなく暑い···気もする。
喉が渇くのは部屋が暑いせいもあるのかな?
まぁ、これだけの人数がいるし仕方ないのかも。
壮「愛聖さん、どうかした?」
『逢坂さん、なんだかこの部屋···少し暑くないですか?だからかも知れませんけど、喉乾いちゃって』
そう答えながら、逢坂さんから受け取ったグラスに口を付けた。
環「そんなに暑くねぇけど?」
壮「僕も暑いとは思わないけど···」
『そうですか?なんとなく暑いなぁって思って。それから、なんだか私はしゃぎ過ぎたみたいでフワフワします···』
さっきよりも、一層ふわふわした感じが増してるような気もするし。
環「ってか、マリー。もしかして酔っ払ってんじゃね?それ、何杯目?」
『えっと、どうでしょう』
陸「どうでしょうって···でも環、酔ってるにしては三月みたいに顔が赤いとか、大和さんみたいに変に絡んで来るとかないから違うんじゃない?」
環「ホラ···そーちゃんみたいなのだったらさ···」
四葉さんがボソボソと何かを話している声が、少しずつ遠くに聞こえて来る。
なんか急に眠い···眠くなった来ちゃった···ちょっとだけなら···いいかな···