第4章 カケラの眩しさ
紡「お父さ···社長!愛聖さんに何を詰め寄ってるんですか!」
どう答えたらいいのか言葉に詰まっていると、タイミング良く紡さんが割って入って来た。
小「紡くん、いま僕は大事な話をしてるんだよ···壮五くんと僕と、どっちがカッコイイかって」
いつの間にそんな究極な選択になってしまったんだろうかと苦笑が漏れる。
大「愛聖が社長もソウもカッコイイとか言うから」
『私のせいですか?!』
壮「え、僕?···愛聖さんにそう言われたら光栄だな」
あぁ···なんかややこしくなって来た···
大「で、どっちよ?」
『二階堂さんはこれ以上ややこしくしないで下さい』
小「じゃあ、若さには勝てないから···僕と万理くんだったら?」
『万理ですか?』
あれ、ちょっと待って?
万理もどっちかって言ったら逢坂さん寄りなんじゃ?
紡「もう、いい加減にして下さい!大神さんだって壮五さんとさほど変わらないんだから、社長と比べたりしたら失礼ですよ!!」
ナイス、紡さん。
私が言い難いことをズバッと。
大「マネージャー、容赦ないな···社長が撃沈してる」
『あ、はは···』
すみません社長···だけど、私も社長と万理を比べるのはちょっと抵抗があったんです。
壮「あ、そうだ。愛聖さん、これ」
スッとテーブルに置かれた物を見れば、そこには逢坂さんが作って来てくれた物が置かれていた。
『キレイな色···それにグラスもオシャレですね』
ここは寮だから、きっと普通のグラスに···とか思ってた自分が恥ずかしい位のカクテル・グラスに注がれたグリーンのカクテルに目を奪われた。
大「一応、確認しとくけど。ソウ、おまえさん···何作ってきたんだ?」
壮「フェアリーランドだよ。甘いのがいいって聞いてたから」
フェアリーランド···なんだか可愛らしい名前。
大「またそんな強いヤツを作って来て···愛聖潰してどうする気だよ」
『キレイな色で名前も可愛らしいのに、強めのお酒なんですか?』
少しだけ呆れた笑いを見せる二階堂さんに聞けば、アルコール初心者はあんまり飲まないだろうって感じの説明をされた。
特に、女の人は飲み過ぎに気を付けろよ?とまで。
『でも、せっかく逢坂さんが作ってくれたので···逢坂さん、頂きます』