第18章 Return to Myself
一「声を掛けたと言ったでしょう。それより今夜は四葉さんが最後に入る言うので佐伯さんが先にお風呂どうぞと言ってますよ」
『四葉さんが?』
一「えぇ、そうです。少しでも佐伯さんにお詫びをしたいそうで・・・四葉さんなりに、いろいろ思う所があるようです」
思う所って、さっきラーメン屋さんで話してた事かな・・・?
今までよりちゃんと手伝いとかして私を楽にする、とか言ってたやつかな?
みんなに迷惑かけないようにちゃんとする、逢坂さんにもMEZZO"として活動する時に遅刻したりしないように頑張る、その流れで四葉さんは普段私が三月さんの手伝いに入ってる事を自分が出来ることは代わりに手伝うとか言ってて。
だから、私も仕事がない日は家事が出来ないわけじゃないから、そういう時はちゃんと私に甘えて休んでて?とは、言ったんだけど。
その四葉さんの返事が、気になると言えば気になったんだっけ。
環 ー 大丈夫!みんながいてもちゃんとマリーに甘える。いおりんに怒られても、ヤマさんがダメって言っても、マリーのそばにいる ー
なんかちょっと、私に甘えての意味が間違って伝わった気もする・・・けど。
内心ちょっぴり複雑になりながらも、せっかくだから四葉さんに甘えてお風呂頂きますと一織さんに伝え支度をするからと話す。
一「お風呂から上がったら、兄さんがマッサージをしてくれるそうですよ」
『み、三月さんが?!』
それはまたどうして?!と返せば、一織さんはすまし顔のままで私の足を見る。
一「佐伯さん、ラーメン屋でふくらはぎを気にしていたでしょう。そういう細かい気遣いが出来るの兄さんですからね」
いや、それは筋肉痛になりそうだなって思ってただけで、誰かにマッサージして欲しいとかじゃないんだけど・・・
一「じゃ、四葉さんと兄さんからの伝言は伝えましたからね」
『え、あ・・・はい、ありがとうございます』
それだけ言うと一織さんは、ふわりと清々しい香りを残して自室へと帰って行った。
マッサージ、か・・・
そんなの申し訳ないから、お風呂でいつもより念入りにケアしておこう。
胸の中でガッツポーズを描いて、あまり遅くなると四葉さんにも申し訳ないからと着替えやタオルを忙しなく準備した。