第4章 カケラの眩しさ
❁❁❁ 一織side ❁❁❁
万「こんにちはー!どう?準備は進んでる?」
「こんにちは。ほぼ準備は終わってます。あ、それお持ちします」
社長と万理さんが差し入れを抱えて寮へとやって来た。
リビングへ一緒に入ると、私達が飾り付けた物を見てはふたりでウンウンと頷いては周りのみんなに声を掛けている。
万「あ、これ可愛い。愛聖が好きなんだよ、こういうの」
陸「そのマスコット、一織が作ったんですよ」
な、七瀬さん?!
小「一織くんが?!それは驚いたなぁ。クールなイメージだったけど、こんな特技もあるのか~」
「べ、別に決して私の趣味ではありません。これはあくまで、佐伯さんは女性なのでこういうのがお好きではと思っただけです」
陸「でも作ってる時の一織···楽しそうだったけど?」
「いちいちうるさい人ですね、七瀬さんは!」
陸「うるさいってなんだよ。楽しそうに作ってたのはホントだろ?」
だから、それは!!
三「コラそこの2人!ケンカすんなよ?一織、こっちは準備オッケーだから、環たちを呼んで来てくれ」
「分かりました。では私は2人を呼びに行ってきますので、皆さんは打ち合わせ通りにお願いします」
静かに場所を離れ、四葉さんの部屋の前まで来る。
妙に静かだな···と、思った途端。
『あっ、四葉さん···そんなとこダメ!』
環「なんでだよ、ここで攻めないと俺ヤバい」
は、はぃ?!
この扉の向こうでいったい何が?!
『ダメだって四葉さん···あ、もう、ほんとにそこでばっかり攻めるの···ズルい。ん~!』
環「だったら、マリーも俺のこと攻めて見りゃいーじゃん?な、ほら、やってみ?」
『だって私、四葉さんみたいに上手く出来ないし···』
一瞬にして頭が沸騰しそうな会話にドアを開ける事を躊躇してしまう。
いえ、そんな事を言ってる場合じゃない。
佐伯さんはオトナですし、そういった経験も無きにしも非ずですが。
四葉さんはまだ私と同じ高校生です。
と、止めに···でも、もし、その···行為に及んでいたらと思うと体が動かない。
『あっ、また!あぁ···もぅダメ···』
怪しげな声に驚き、ノックもせずに四葉さんの部屋のドアを開けた。
「四葉さんに佐伯さん!いったい何をしてるんですか!!」