第16章 動き出した真相
天「確信はなかった・・・けど、言わなかったのは楽と龍がそれを知って傷付く顔を見たくなかったから」
龍「天・・・」
天「好きな歌だって、気に入ってるって・・・だから盗んだ曲だって知ったら、恥ずかしくて、情けなくて・・・歌えなくなるでしょう。ボクは情を優先して、盗まれた曲を歌っている事を知らないフリをした・・・プライドがないって言われても、反論もしない・・・だから・・・ビジネスパートナーに仲間だとか友情なんていらなかったんだ・・・」
それは、初めて俺たちに見せる天の顔で。
こいつはこいつなりに、俺たちの事を考えて黙ってたんだという事を飲み込んだ。
「ビジネスパートナーになんか、戻ってたまるかよ。俺たちは、天と龍と俺の3人でTRIGGERなんだろうが。ビジネスパートナーなんかじゃなく・・・仲間、だろ」
龍「そうだね、楽の言う通りだよ。オレたちはビジネスパートナーなんかじゃない」
天「楽・・・龍・・・ありが、」
姉「お待たせ3人とも!ちょっとゴタゴタがあってそっちに時間取られて遅れちゃったわ」
天が何かを言いかけた時、姉鷺が不機嫌丸出しで部屋へ入って来る。
姉「他の事務所のタレント潰しに巻き込まれちゃったじゃないの!それに天。アンタに確認しとくけど、あのアイドリッシュセブンのセンター、七瀬陸と双子だて本当なの?!それならそれで先に教えてくれないと困るじゃないの」
七瀬と、天が・・・双子?
予想にもなかった事を姉鷺から聞かされ、俺も龍も驚く。
「おい天!今の・・・七瀬と双子だってのは本当か?!」
天「・・・マネージャー、ボクも確認したい事がある。ボクは前に言ったよね?これ以上ファンに対して恥ずかしい事をするならボクにも考えがあるって。それを思い出してちゃんと答えて。陸が双子の弟だって事、マスコミに抜かれたの?それとも・・・抜かせたの?」
天がそう言うって事は、七瀬陸と天が双子の兄弟だって事は本当だって事だ。
けど、天は俺たちの所に来た時から、七瀬ではなく九条天だった。
・・・どういう事なんだ?
天「ねぇ、マネージャー・・・正直に答えて」
姉「そ、それは・・・」