第4章 カケラの眩しさ
❁❁❁ 大和side ❁❁❁
ナ「ワタシ、高い高いしてみたいデス!」
『それはちょっと』
環「いーじゃん高い高い!子供みてぇ」
『子供じゃないから!って、ナギさんも抱えるのやめて!た、高い!こわい!!』
な~に、やってんだか。
「ミツ、オレ達はいよいよ干からびる運命にあるようだな」
三「でもまぁいいんじゃね、楽しそうだし?」
ま、それもそうか。
楽しいってのが、イチバンだな。
大「けど、そろそろ呼び戻さないとアレの準備が遅れるんじない?」
今夜は愛聖の歓迎会をするって予定があって。
本人には内緒で準備しなきゃだから、それなりに人手も時間も必要だ。
三「んじゃ、呼び戻すとすっか!おーい、そろそろ遊びは終わりにしろよー?愛聖も組み立てと設置終わってっから確認してくれなー!」
『あっ、ごめんなさい!すぐ行きます!』
三「それから、干からびたおっさんがいるから飲み物早く渡してやってくれ!」
おいおいおいおい!
干からびたおっさんって誰だ!
オレまだ20代だっつーの。
ミツのひと声の後、すぐにバタバタと賑やかな足音がしてドアが開く。
『わあっ···可愛い!』
オレとミツで組み立てたベッドを見て、愛聖が目をキラキラさせて喜んだ。
まさかオレ達も、こんなあからさまな女子ベッドを組み立ててるとは思わなかったけどな。
出来上がってミツと2人で言った第一声が。
「「 お姫様かっ!! 」」
だったもんな。
ナギはナギで···
ナ「マリーはプリンセスなのデスか?では、プリンスはワタシが」
とかアホなこと言ってたし。
壮「天蓋つきベッドなんて、おとぎ話のお姫様みたいだし、ナギくんも王子様役がピッタリだと思うよ」
とか言って、ソウは笑ってたけど。
ソウ···おまえさんは順応するの早すぎだろ。
『ほんとに皆さん、ありがとうございます!』
「まぁ、こんな事くらいでいいんならオレらいつでも手を貸すから···お礼はハグで」
『えっ?!』
はいどーぞ?と両手を広げてニコリと笑う。
躊躇う愛聖に、なんて言うのはウソだと言おうとしたオレの体は愛聖の腕の中にあった。
『これでいいですか?』
「マジか···」
そう呟いた顔が熱かった。