第4章 カケラの眩しさ
❁❁❁ 壮五side ❁❁❁
大「なぁ~、あの二人遅くね?お兄さん干からびるってーの」
三「確かになぁ。陸のやつ、どこのコンビニまで案内したんだ?」
組み立て作業を終えて掃除機をかける三月さんに、大和さんが壁に持たれながら天井を仰ぐ。
言われてみれば、陸くん達が出掛けてから随分と時間は過ぎてるし···何かあったのではないかと僕も心配になる。
だって陸くんは···
ナ「ヤマト、ミツキ···ソウゴも。ちょっと外見てクダサイ?楽しそうでデスよ?」
窓際で外を眺めていたナギくんが僕達を手招きして、3人でそばに寄った。
環「な?!楽しいだろ?!もっかいやろーぜ!マリー、せ~の、ジャーンプ!」
『四葉さん高い!高過ぎるっ!···でもなんか楽しい!』
環「だろ!」
一「四葉さん、あんまり跳ねるとプリンが混ざりますよ?!」
キャーキャーと子供のように騒ぐ3人を見つけ、何だか微笑ましくなりながら様子を見守る。
大「タマはともかく、イチがあんなに笑うの珍しいよな?」
三「そうか?一織は普段シャープにしてるけど、意外と笑うし、照れもするぞ?」
ナ「Oh!イオリ、ツンデレってやつデスね!」
三「そんな感じだな。オレはデレの方が見ること多いけど」
「そうだね···一織くんは普段、僕達の前ではあんな楽しそうな顔を見せることないから。でも、陸くんはどうしたんだろ?」
愛聖さんと一緒に出掛けたはずなのに、陸くんの姿が見当たらない。
ナ「ソウゴ。よーく見てクダサイ?ほら、離れた所からリクが歩いて来ますよ?」
大「ホントだ。つか、アイツ荷物多すぎじゃね?」
三「じゃんけんで負けたら荷物持ち!とかでもしたのか?」
そうだとしても、まだ寮までの距離はあるな···
それになんだか、僕もあの場所に混ざりたくなって来た。
「僕が迎えに行ってくるよ」
言いながらそっと窓際から離れると、ナギくんが僕の肩を叩く。
ナ「ワタシも一緒に行きマス!···マリーとタマキと、アレ、やりたいデース!」
「環くんとナギくんがやったら、凄く高いジャンプになりそうだね」
そう言ってワクワクしてるナギくんと一緒に外へ出る。
まだ少し離れた場所ではあるけど、3人の楽しそうな声が、ずっと···僕達の所まで届いていた。