第4章 カケラの眩しさ
七瀬さんに案内されながらコンビニの前までは行ったんだけど。
時間を見て、どうせなら高校生組がもうすぐ帰って来るからお菓子もたくさん買いたいって言った私に、その先のスーパーまで連れて来てくれた。
···のは、良かった。
『さすがに、ちょっと買い過ぎちゃったかな···』
二人で両手に持つ大きなスーパーの袋をチラリと見て苦笑いをする。
陸「まぁ···止めきれなかったオレも悪いし、二人で頑張れば寮まではスグだよ!」
そう言って眩しいほどの笑顔でいう七瀬さんは、私よりも遥かに重たい飲み物ばかりが入った袋を二つも持ってくれてる。
『七瀬さん、私もそっち持ちます。ひとつ渡して下さい』
どう考えても私に託された袋の中身は軽い物しか入ってないし。
陸「平気だって。それに、ほら!両方にバランスよく持てばトレーニングも兼ねられて一石二鳥っていうかさ!」
『そういう問題じゃ、』
一「いい心掛けですね、七瀬さん」
私達の会話にスっと入って来る声に足を止めた。
『一織さん!···と、四葉さん!あ、お、お帰りなさい?かな?』
一「なぜ疑問形なんですか。同じ場所に帰る途中なんですから、あながち間違いではないでしょう。それより、どうしたんですか?二人は今日、買い出し係ではなかったはずですが?」
大きな袋を見ながら一織さんが私達を交互に見る。
『これは、ですね···』
事の経緯を話すと、高校生である自分達がおやつで両手を挙げて喜ぶとでも?と笑われてしまった。
『でも、四葉さんは興味津々···みたいですけど』
七瀬さんの持つ袋をガサゴソと探る四葉さんを見て笑うと、一織さんは盛大なため息を吐いた。
一「まったく···四葉さん、おやつは寮に帰ってからです。歩きながらは行儀が悪いですよ」
環「おおっ?!やった!王様プリン発見!!りっくん、コレいま食いたい!」
陸「ダメだって!一織が帰ってからって言ってるだろ?な?」
環「じゃあ早く帰る!今すぐ帰る!りっくん、俺1個荷物持つから早く帰ろ!」
陸「あ、ちょっと環?!」
七瀬さんから半ば奪うように袋をひとつ持ち、四葉さんが早足で歩いて行く。
一「仕方ありませんね。佐伯さん、それ私が持ちますから」
『大丈夫です、これは軽い物しか入ってないので』
軽く掲げてみせると一織さんが2つともサクッと持ってしまう。