第3章 君の匂い
またある日、ミケはを見かけた。
スン
(あ…、今日は……)
血と、消毒薬の匂いがした。
(こういう時のは、とても悲しそうな顔をしている)
彼女は医療班の班長を務めており、壁外調査では第一線で活躍しながらも兵士たちの健康管理を担っている。
(彼女からこの匂いがする時は、誰かが怪我をしたか…最悪の場合、死んだ時)
はあまり泣き顔を見せない。抱えている重圧にぐっと耐える我慢強さを持っている。それに、彼女のことを支えるリヴァイがいる。
だが、
(背負っているものが重すぎるんだ。あの小さな背中に、一体どれほどの重荷を背負っているのか)
のあの表情を見ると、ミケはたまらなく胸が苦しくなるのだった。