第2章 キス魔
その後もは順々にメンバーのもとを回り、頬にキスをした。
だが、実際にがキスをしたのはペトラとリヴァイのただ二人だけであった。
酔ってキス魔になるという非常においしい状況になったにも関わらず、リヴァイの陰謀により他の男性陣には一切利益が回ってこなかったのだ。
「リヴァイ先輩~」
がフラフラとリヴァイの席に向かって歩き始める。
“からのキス”というチャンスをグンタから奪ったばかりのリヴァイは、電光石火の勢いで自分の席に戻る。グンタの横には残像が見えた…。
ぎゅうっ、とリヴァイの身体に抱きついたは、リヴァイの頬にもその桜色の唇を寄せて行く。
「リヴァイ先輩、大好きです~」
と、横を向いていたリヴァイが、急にの方に顔を向けた。
ちゅっ
と軽い音がして、一瞬ではあるが、二人の唇が重なったところを皆が目撃した。
((……!!))
だが、当のはそんなことには気づいていない。そのままリヴァイの身体にもたれかかっていき、また、静かな寝息を立て始めた。
「…ちっ、しょうがねぇな」
リヴァイがの身体を抱き上げて、小さく舌打ちをする。
そのまま、の自室の方へと消えていった。
その光景を見てテーブルの面々は唖然としていたが、エルヴィンやハンジはと言うと、こちらもまた酔っ払いと化しているので、すっかりどんちゃん騒ぎになっていて、こちらで起こった大事件には気づいていないようだった。