第2章 キス魔
次の日の朝、は自身のベッドの上で目覚めた。
「…あれ?私いつの間に部屋に戻ってきたんだろ…?」
昨夜のことが思い出せない。
「宴会が始まって、何だか眠くなっちゃったところまでは覚えてるんだけど…」
だが、よく寝たおかげで身体が軽い。気分も爽快だ。
は深く考えることなく、身支度を整え食堂へと降りて行った。
食堂にはすでにリヴァイと、ペトラ達の姿があった。
「おはようございます」
が席に着くと、何だか皆が一瞬目をそらしたように感じた。
「よく眠れたか?」
「はい!…もしかして、昨日部屋までリヴァイ兵長が連れて行ってくれたんですか?」
「寝ていて起きなかったからな」
しれっ、と言うリヴァイに、皆が硬直する。
「あ、ありがとうございましたっ!いつもご迷惑ばかりおかけして申し訳ありません」
「…気にするな」
「あ~、でも残念です。昨日すぐに寝ちゃったから、何にも覚えてなくて…」
(((えー!!!)))
あの行動を一切覚えていないとは…。
だが、にとってはそれでよいのかもしれない。皆が固まっている中、リヴァイだけが満足そうな顔をしていた。