第2章 尊敬から恋への変化
文献内容を簡潔に、しかし分かりやすく説明しているリヴァイの声を聞いているのは心地よい。
教官の講義の時よりもずっとスムーズに頭の中に入ってくる。
「先輩、ここはどういう意味ですか…」
ふと顔を上げた時、リヴァイの端正な顔が思った以上に近くにあった事に、は思わず息をのんだ。バチッと視線が合って、一気に顔が赤くなる。
「あ、う…」
言葉が見つからないまま、の大きな目が宙を泳ぎ、すすすーとまた文献へと落とされた。
耳が赤くなっている。
一方のリヴァイはというと、こちらもまた、ふいに至近距離でと目が合った事で大きく心臓が飛び跳ねていた。
赤くなって俯いたの仕草。
(…その反応は、反則だろう)
髪の間から見える可愛らしい耳が真っ赤になっている。もちろん、顔が赤いのもよく見てとれる。
(…期待してもいいのか、よ)
自分の想いが一方通行でないことを…。この想いを抱き続けてもいいのか。
赤くなるの姿に、リヴァイは胸が温かいもので満たされていくのを感じていた。
リヴァイは赤くなって俯くの頭を、ポンポンと軽く撫ぜてやった。
だがこの出来事は、ほんの一部分にしかすぎない。
本人達はつとめて普通に過ごしているつもりなのであろうが、周りからすれば、お互いがお互いを想い合っているのなど、この上なく明白であった。
そんなこんなで、二人は訓練校時代からこんな関係が続いている。