第4章 卒業
「本日をもって、卒業とする!!」
壇上で声を張り上げた教官の言葉に、講堂に集まった訓練兵、もとい新米兵士達は一斉に歓声を上げた。
皆各々に抱き合ったり涙を流したりして、喜びを表現している。
どの兵士も、その喜びようは尋常ではなく、それだけ訓練兵団での3年間が辛かったのだということがよく分かる光景であった。
訓練兵団での食事はいつも質素なものなのだが、この日ばかりは少しだけ豪勢な食事が出される。いわゆる、卒業祝賀会が催されるのだ。
講堂での卒団式を終えた兵士達が、ぞろぞろと食堂へと移動してくる。
兵士達が口々に喜びを伝え合っているその中に、の姿もあった。
彼女もまた、辛かった3年間に思いを馳せて、その瞳には少しだけ涙が浮かんでいた。